2022年5月16日 (月)

脳梗塞に対する血栓回収療法における全身麻酔と鎮静の比較

Maurice A, Eugène F, Ronzière T, Devys JM, Taylor G, Subileau A, Huet O, Gherbi H, Laffon M, Esvan M, Laviolle B, Beloeil H. General Anesthesia versus Sedation, Both with Hemodynamic Control, during Intraarterial Treatment for Stroke: The GASS Randomized Trial. Anesthesiology 2022;136:567-76.

フランスの4施設で行われた多施設RCTで、脳梗塞に対する血栓回収療法の際の麻酔方法として全身麻酔と鎮静を比較した報告です。全身麻酔群ではetomidateで導入、propofol+remifentanilでの維持、鎮静群ではremifentanilが投与されています。主要評価項目としては3ヶ月後の機能回復の程度が用いられています。約350症例をランダム化して比較した結果、3ヶ月後の機能回復には有意差がなく、全身麻酔では治療不成功の頻度が少ない一方、処置中の高血圧、低血圧の頻度が高いことが示されています。考察では神経放射線科医は全身麻酔を好む可能性が高い、と述べられています。

2022年5月13日 (金)

重症小児患者における人工呼吸離脱後の経鼻高流量酸素療法の効果

Ramnarayan P, Richards-Belle A, Drikite L, Saull M, Orzechowska I, Darnell R, Sadique Z, Lester J, Morris KP, Tume LN, Davis PJ, Peters MJ, Feltbower RG, Grieve R, Thomas K, Mouncey PR, Harrison DA, Rowan KM. Effect of High-Flow Nasal Cannula Therapy vs Continuous Positive Airway Pressure Following Extubation on Liberation From Respiratory Support in Critically Ill Children: A Randomized Clinical Trial. Jama 2022;327:1555-65.

英国の22施設で行われたRCTで、月齢36週から15歳までの小児患者を対象として人工呼吸離脱後の呼吸補助としてCPAPとNHFCを比較しています。主要評価項目としては人工呼吸離脱から呼吸補助終了までの期間が用いられており、NHFCの非劣性に注目して解析が行われています。年齢中央値3ヶ月の約600症例をランダム化して比較した結果、人工呼吸離脱から呼吸補助終了までの期間はCPAP群、NHFC群でそれぞれ43時間、51時間でNHFCの非劣性は確認できませんでした。両群とも約30%で治療の変更が行われています。







 

2022年5月12日 (木)

非神経系炎症後の認知機能低下、脳損傷

Peters van Ton AM, Meijer-van Leijsen EMC, Bergkamp MI, Bronkhorst EM, Pickkers P, de Leeuw FE, Tuladhar AM, Abdo WF. Risk of Dementia and Structural Brain Changes Following Nonneurological Infections During 9-Year Follow-Up. Critical care medicine 2022;50:554-64.

オランダの研究者が行ったprospective studyで、50-85歳の対象者における認知機能とMRI所見の関連を9年間follow upして調査したstudyで経過中の感染症の有無を考慮して解析しています。解析対象となった約300症例を経過中に敗血症、非敗血症重症感染症、中程度感染症、感染症なしの3群で検討しています。それぞれの頻度は9%、21%、61%、18%で、敗血症発生群は認知機能低下のハザード比が1.82となり、有意差が認められています。一方、MRIで評価した構造学的異常とは関連が認められませんでした。

 

2022年5月10日 (火)

腸管内細菌叢による乳がん手術術後の遷延性疼痛の予測

Yao ZW, Yang X, Zhao BC, Deng F, Jiang YM, Pan WY, Chen XD, Zhou BW, Zhang WJ, Hu JJ, Zhu L, Liu KX. Predictive and Preventive Potential of Preoperative Gut Microbiota in Chronic Postoperative Pain in Breast Cancer Survivors. Anesthesia and analgesia 2022;134:699-709.

中国で行われたprospective studyとmiceを用いた動物実験で、乳がん手術術後の遷延性疼痛と腸管内細菌叢の関連を調査しています。乳がん手術術後の遷延性疼痛の定義には3ヶ月後のNRS>4以上が用いられており、術前の抑うつ、不安、術後急性痛など既知の遷延性疼痛リスク因子に腸内細菌叢のパターンを加えることで予測精度が向上するかどうかで検討してます。約300症例のうち66症例で遷延性疼痛が発生しており、遷延性疼痛群では酪酸を産生する細菌が増加していることが示されています。予測因子に腸内細菌を加えることでAUROCが0.04から0.09程度向上することが示されています。miceを用いた動物実験では酪酸を産生する細菌の糞便移植によって座骨神経損傷モデルにおける疼痛が増悪し、脊髄レベルでのPPAR-gamma-microglia系の活性化が認められており、腸内細菌叢による術後遷延性疼痛の修飾には脊髄レベルでのPPAR-gamma-microglia系が関与していると考察されています。















 

2022年5月 9日 (月)

高リスク手術患者における予防的penehyclidine投与が術後肺合併症に及ぼす影響

Yan T, Liang XQ, Wang GJ, Wang T, Li WO, Liu Y, Wu LY, Yu KY, Zhu SN, Wang DX, Sessler DI. Prophylactic Penehyclidine Inhalation for Prevention of Postoperative Pulmonary Complications in High-risk Patients: A Double-blind Randomized Trial. Anesthesiology 2022;136:551-66.

中国で行われたRCTで、非心臓上腹部または胸部手術術後の呼吸器合併症を減少させる手段としてのpenehyclidine吸入の効果を検証しています。今回用いられたpenecyclidineは長時間作動性muscarinic受容体作動薬でFDAの承認は得られていないようです。penehyclidine吸入は術前、術当日、術後に12時間毎に7回吸入されています。主要アウトカムとしては30日までの術後呼吸器合併症の頻度が用いられています。約800症例をランダム化して比較した結果、対照群、介入群での呼吸器合併症発生頻度はそれぞれ26%、19%で統計学的に有意な予防効果が認められています。呼吸器合併症の中で特にbronchospasmの頻度を減少させることが示されています。



 

2022年5月 6日 (金)

新生児の気管挿管の際の高流量経鼻酸素投与の有効性

Hodgson KA, Owen LS, Kamlin COF, Roberts CT, Newman SE, Francis KL, Donath SM, Davis PG, Manley BJ. Nasal High-Flow Therapy during Neonatal Endotracheal Intubation. The New England journal of medicine 2022;386:1627-37.

オーストラリアの2施設で行われたRCTで、新生児の気管挿管の際の酸素化維持手段としてNHFCと通常治療を比較しています。平均28週、体重920gの新生児251例を対象として、主要評価項目として酸素飽和度、心拍数の低下を来すことなく気管挿管が成功する割合が用いられています。対照群でのアウトカムが31%であるのに対してNHFC群では50%で統計学的有意差が認められています。また酸素飽和度の低下が生じた症例でもNHFC群では発生が9秒遅いことも示されています。

 

2022年5月 2日 (月)

硬膜外ブロックによる無痛分娩が胃内容残留に及ぼす影響

Bouvet L, Schulz T, Piana F, Desgranges FP, Chassard D. Pregnancy and Labor Epidural Effects on Gastric Emptying: A Prospective Comparative Study. Anesthesiology 2022;136:542-50.

フランスの研究者が行ったRCTで、分娩時の妊婦での胃内容の消失速度を非妊婦、妊娠中、分娩前の妊婦、硬膜外ブロックによる無痛分娩を施行中の産婦、無痛分娩を行わない産婦の4群で比較した報告です。全例でヨーグルトを摂取し、経時的に超音波で胃幽門部の断面積を測定し、食事摂取後90分までの胃内容の消失速度を比較しています。胃内容の消失速度は非妊婦、妊娠中、分娩前の妊婦、硬膜外ブロックによる無痛分娩中の産婦、無痛分娩を行わない産婦の順に低下しする事が明らかになりました。結語では、硬膜外ブロックによる無痛分娩を行わない産婦では経口摂取に関しては慎重であるべきと述べられています。





 

2022年4月28日 (木)

生理学的観点に立脚した蘇生トレーニングが小児ICUにおける蘇生後の神経学的回復に及ぼす影響

Sutton RM, Wolfe HA, Reeder RW, . Effect of Physiologic Point-of-Care Cardiopulmonary Resuscitation Training on Survival With Favorable Neurologic Outcome in Cardiac Arrest in Pediatric ICUs: A Randomized Clinical Trial. Jama 2022;327:934-45.

小児患者における心肺蘇生技術を向上させるための取り組みが予後に及ぼす影響を検討した多施設RCTです。取り組みとしては月48回を目標として行うマネキンを用いた胸部圧迫のトレーニングと月1回行う心肺停止症例に関するdebriefingで構成されています。18施設を対象として施設毎にランダム化が行われています。アウトカムとして良好な神経学的予後で退院可能であった症例で比較しています。約5年間の研究期間で約1100症例を対象として解析した結果、両群とも約53%の症例で良好な神経学的予後で退院しており、有意差は認められませんでした。介入群では蘇生中の拡張期圧、自己心拍再開後の収縮期圧が有意に高値であったことが報告されています。



 

2022年4月26日 (火)

デンマークにおける無痛分娩と神経発達障害の関連

Ren T, Zhang J, Yu Y, Pedersen LH, Wang H, Li F, Henriksen TB, Li J. Association of labour epidural analgesia with neurodevelopmental disorders in offspring: a Danish population-based cohort study. British journal of anaesthesia 2022;128:513-21.

無痛分娩を目的とした硬膜外ブロックと児の神経発達障害、特に自閉症関連病態、発達障害、過活動性障害、てんかんに関連があるかどうかを検討した大規模retrospective studyです。2005年から2016年までのDenmarkにおける分娩約62万件が対象であり、11万6千件(16.8%)で硬膜外ブロックが行われています。評価方法としては全症例を対象とした多変量解析と兄弟間、すなわち遺伝的背景、家庭内要因がそろった条件での比較の両方が行われています。自閉症関連病態の発生頻度は1.23%であり、全症例を対象とした多変量解析では硬膜外ブロックが自閉症関連病態のリスクを有意に増加させることが示されていますが、兄弟間に限定した解析では有意差は消失しています。結語では無痛分娩として行われた硬膜外ブロックは自閉症関連病態、発達障害、過活動性障害、てんかんのリスクではないと述べられています。











 

2022年4月22日 (金)

心エコーで評価した左房径、左房機能と認知機能低下の関連

Wang W, Zhang MJ, Inciardi RM, Norby FL, Johansen MC, Parikh R, Van't Hof JR, Alonso A, Soliman EZ, Mosley TH, Gottesman RF, Shah AM, Solomon SD, Chen LY. Association of Echocardiographic Measures of Left Atrial Function and Size With Incident Dementia. Jama 2022;327:1138-48.

左房機能低下(LA myopathy)と認知機能低下の関連を調査した前向き観察研究で、米国の4つのcountyで対象者を募集し、2011年から2013年の間に心エコー検査を行い、2019年までfollow upを行っています。follow up期間中のAf発生の関連についても解析しています。約4100名が対象となり、531名でその後認知機能低下の診断がなされています。Afは386名で発生しています。左房機能、特に拡張期のstrainの低下が認知機能低下の独立したリスク因子であることが示されています。Afの関与は2%程度と推定され、有意な関連はないと結論されています。

2022年4月21日 (木)

重症病態の遷延にfrailが及ぼす影響

Darvall JN, Bellomo R, Bailey M, Young PJ, Rockwood K, Pilcher D. Impact of frailty on persistent critical illness: a population-based cohort study. Intensive care medicine 2022;48:343-51.

重症病態の遷延(persistent critical illness, perCI)は急性期から離脱した後にもICU等での集中治療から離脱できない病態を指しており、医療経済的にも大きな課題となっているようです。本研究では特に重症病態罹患前のfrailの有無がperCIへの移行、院内死亡に及ぼす影響を検討しています。ANZICSのdatabaseから約27万症例を抽出して解析した結果、frailと診断された症例ではperCIを発生するリスクが有意に高いことが示されています。またperCI発症群ではfrailを有した症例で院内死亡のリスクが有意に高いことが示されています。術後5日目まではfrailの有無は予後予測には影響しないことが示されていますが、5日以降は予後予測にfrailの有無を取り入れることによって予測精度が向上することが示されています。

 

2022年4月19日 (火)

悪性腫瘍手術の予後とfrailの関連

Shaw JF, Mulpuru S, Kendzerska T, Moloo H, Martel G, Eskander A, Lalu MM, McIsaac DI. Association between frailty and patient outcomes after cancer surgery: a population-based cohort study. British journal of anaesthesia 2022;128:457-64.

カナダオンタリオ州の健康保険databaseを用いたretrospective studyで、2009年から2017年に大腸直腸、肺、肝胆膵の悪性腫瘍手術をうけた患者の長期予後とfrailの関連を調査した報告です。平均で5年間予後を観察しています。約5万2千症例を対象として解析した結果、frailが13.4%の症例で認められています。frailを有する症例では術後生存期間の中央値が有意に低値であり、frail score増加が術後死亡の有意なリスク因子であることが示されています。

 

2022年4月18日 (月)

大腸直腸がん手術患者における硬膜外ブロックと腫瘍再発の関連

Hasselager RP, Hallas J, Gögenur I. Epidural Analgesia and Recurrence after Colorectal Cancer Surgery: A Danish Retrospective Registry-based Cohort Study. Anesthesiology 2022;136:459-71.

デンマークの健康保険databaseを用いて行ったretrospective studyで、大腸がん直腸がん手術における硬膜外ブロック併用と術後再発の関連を調査しています。2004年から2018年に大腸直腸がん手術を受けた約1万1千500症例が対象となり、このうち約30%で硬膜外ブロックが併用されています。傾向スコアマッチングで交絡因子を調整した各群2980症例で再発の有無、観察期間中の死亡を比較した結果、いずれも差が認められませんでした。

 

2022年4月15日 (金)

検査結果に基づく心臓外科手術後の中程度以上の急性腎傷害発生予測の精度

Demirjian S, Bashour CA, Shaw A, Schold JD, Simon J, Anthony D, Soltesz E, Gadegbeku CA. Predictive Accuracy of a Perioperative Laboratory Test-Based Prediction Model for Moderate to Severe Acute Kidney Injury After Cardiac Surgery. Jama 2022;327:956-64.

米国で行われたobservational studyで、心臓外科患者における術後AKIを術直後のmetabolic panelと呼ばれる一般的な検査結果の組み合わせによる診断の精度を解析しています。metabolic panelにはsCrの他、Na, K、lactate、BUN、albumin、HCO3、BUNが含まれています。約6万症例を対象としてmetabolic panelを確立し、約4700症例を対象として検証しています。Stage 2以上のAKIは14日以内に約5%の症例で発生しており、metabolic panelによる診断はAUROCが約0.85であり、既存のbiomarkerよりも早期、正確にAKIを診断することが可能であったと結論されています。



 

2022年4月14日 (木)

重症小児患者における神経筋遮断薬使用と死亡リスクの関連

Daverio M, Sperotto F, Stefani C, Mondardini MC, Tessari A, Biban P, Izzo F, Montani C, Lapi M, Picconi E, Racca F, Marinosci GZ, Savron F, Wolfler A, Amigoni A. Neuromuscular Blocker Use in Critically Ill Children: Assessing Mortality Risk by Propensity Score-Weighted Analysis. Critical care medicine 2022;50:e294-e303.

イタリアの研究者が行った多施設retrospective studyで、18歳未満の小児重症患者での神経筋遮断薬投与の実態および院内死亡率の関連を調査しています。17施設8年間の入院患者約3800症例を対象として解析した結果、神経筋遮断薬投与は13%の症例で行われたことが明らかになりました。傾向スコアを逆確率重み付けという方法を用いて背景因子を調整した結果、神経筋遮断薬使用群、非使用群での死亡率は21%と11%となり、神経筋遮断薬使用が院内死亡の独立したリスク因子である事が示されています。

 

2022年4月12日 (火)

脊髄くも膜下ブロックによる帝王切開中の低血圧予測指数の評価

Frassanito L, Sonnino C, Piersanti A, Zanfini BA, Catarci S, Giuri PP, Scorzoni M, Gonnella GL, Antonelli M, Draisci G. Performance of the Hypotension Prediction Index With Noninvasive Arterial Pressure Waveforms in Awake Cesarean Delivery Patients Under Spinal Anesthesia. Anesthesia and analgesia 2022;134:633-43.

イタリアの研究者が行ったretrospective studyで、非侵襲的連続心拍出量モニタから得られる低血圧予測指数(HPI)が脊髄くも膜下ブロックでの帝王切開中の低血圧を予測できるかどうかを検討しています。待機的帝王切開患者48症例を対象として、実際にMAP<65mmHgとなる1、2、3分前のHPIから最適な閾値を算出すると共に非侵襲的連続血圧測定とNIBPの精度比較も行っています。対象患者の48%で低血圧が発生し、HPIによる3分後の低血圧予想はAUROCが0.91であり、高精度に低血圧を予測することが示されています。最適閾値は30とされています。血圧測定の精度についてはbiasは小さく、precisionはmoderateであったと記載されています。

 

2022年4月11日 (月)

大腸癌手術患者における免疫細胞機能に関するsevofluraneとpropofolの比較

Oh CS, Park HJ, Piao L, Sohn KM, Koh SE, Hwang DY, Kim SH. Expression Profiles of Immune Cells after Propofol or Sevoflurane Anesthesia for Colorectal Cancer Surgery: A Prospective Double-blind Randomized Trial. Anesthesiology 2022;136:448-58.

韓国の研究者が行ったRCTで、大腸がん手術患者における周術期の血中NK細胞の割合、NK細胞のapoptosisおよび血中helper T細胞、細胞障害性T細胞、調節性T細胞の割合の変化を麻酔方法で比較した報告です。麻酔方法としてはpropofolによるTIVAとsevofluraneが比較されています。153症例をランダム化し、比較した結果、血中NK細胞の割合およびapoptosisの程度には群間差は認められませんでした。T細胞の内訳、炎症反応の程度にも有意差は認められませんでした。結語では麻酔方法以外の要素の影響が大きいと述べられています。

 

2022年4月 8日 (金)

乳幼児期の急性呼吸不全と遠隔期の認知機能の関連

Watson RS, Beers SR, Asaro LA, Burns C, Koh MJ, Perry MA, Angus DC, Wypij D, Curley MAQ. Association of Acute Respiratory Failure in Early Childhood With Long-term Neurocognitive Outcomes. Jama 2022;327:836-45.

米国で行われたRCTの2次解析で、主解析は2015年にJAMAに掲載されています。乳幼児期に呼吸不全で人工呼吸をうけた患者で認知機能が低下するかどうかを検討した報告です。具体的には患児が学童期に達した時点で患児およびその同胞で知能指数、認知機能を評価、比較しています。対象患児が人工呼吸をうけた年齢の中央値は1歳、喘息、肺炎による急性呼吸不全が大多数で、評価時点の年齢の中央値は6.6歳、対照群となった同胞は8.4歳とされています。呼吸不全患児は対照となった同胞と比較してIQが5点低値で、統計学的有意差が認められています。その他の認知機能については一貫した傾向は認められませんでした。結語ではIQ低値の臨床的意義は不明と述べられています。

 

2022年4月 7日 (木)

心停止回復後の適切な神経学的回復の観察期間

Tsai MS, Chen WJ, Chen WT, Tien YT, Chang WT, Ong HN, Huang CH. Should We Prolong the Observation Period for Neurological Recovery After Cardiac Arrest? Critical care medicine 2022;50:389-97.

現在心停止後の回復可能性の判断および治療撤退の判断には体温管理終了または鎮静薬投与終了から7日間の期間を設けることが推奨されているようです。本研究はこの7日間という観察期間の妥当性を再評価するために行われたretrospective studyです。National Taiwan University Hospitalで蘇生が行われ、生存退院に至った529症例を対象としています。395症例で良好な神経学的回復が認められ、357症例では7日以内に、38症例(9.6%)では7日以降(遷延回復群)に回復を認めています。神経学的回復が7日以降に関連する因子としては65歳以上、治療的低体温、eCPRが抽出されました。神経学的予後不良群と遷延回復群を比較した結果、遷延回復と関連する因子としては男性、病院到着前の自己心拍再開、治療的低体温、eCPRがあり、予後不良と関連する因子としては脳波異常が抽出されています。結語では男性、病院到着前の自己心拍再開、治療的低体温、eCPRに当てはまる場合は7日以上の観察期間を持って予後を予測するべきであると述べられています。

2022年4月 5日 (火)

米国における整形外科拡大手術患者のbenzodiazepine使用実態

Cozowicz C, Zhong H, Illescas A, Athanassoglou V, Poeran J, Reichel JF, Poultsides LA, Liu J, Memtsoudis SG. The Perioperative Use of Benzodiazepines for Major Orthopedic Surgery in the United States. Anesthesia and analgesia 2022;134:486-95.

米国の健康保険databaseを使用したretrospective studyで、2006年から2019年にTKAを施行した約180万症例、THAを施行した約100万症例を対象として手術当日のbenzodiazepine投与の実態を調査しています。benzodiazepineによるせん妄のriskが認識され、経時的に使用頻度が減少しているという仮説のもとに研究が行われています。結果として約80%の症例でbenzodiazepineが使用されていることが明らかになりました。経時的な減少傾向は認められませんでした。benzodiazepine使用群で鎮痛薬の使用量が増加するという結果も得られています。

 

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近況報告

  • 集中治療医学会@仙台
    3/19午後に英文機関誌編集委員会の企画「アクセプトされるコツ」があります。ご参加をお待ちしています。
  • 2022年
    15年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 循環制御医学会共催セミナー
    2月20日10:10から循環制御医学会の共催セミナーで発表させていただきます。「術中低血圧回避とモニタリング」という内容です。お時間があるようでしたら御視聴ください。
  • 2021年
    14年目になりました。引き続き宜しくお願いします。
  • 論文掲載
    HES 130/0.4に関する日本のDPC dataを用いたretrospective studyがJ Anesthの34巻6号に掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会
    2/22(土)に昭和大学で体液代謝管理研究会が開催されます。管理人は共催セミナーで「輸液は腎臓を守れるか」というタイトルで発表させていただきます。多数のご参加をお待ちしております。
  • 2020年
    13年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会シンポジウム
    11/8(金)午後の筋弛緩に関するシンポジウムに多数のご参加いただきありがとうございました。
  • 第66回日本麻酔科学会
    初日の午後のシンポジウムおよび最終日のリフレッシャーコースで発表させていただきます。2日目の学術委員会企画でも座長を仰せつかっております。多数のご参加をお待ちしております。
  • 集中治療医学会@京都
    第20会場でのICUモニタリングup-to-dateというシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
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