2024年3月 1日 (金)

ICU入室患者に対するコンピューターによるdecision supportによる併用注意薬alartの効果

Bakker T, Klopotowska JE, Dongelmans DA, Eslami S, Vermeijden WJ, Hendriks S, Ten Cate J, Karakus A, Purmer IM, van Bree SHW, Spronk PE, Hoeksema M, de Jonge E, de Keizer NF, Abu-Hanna A. The effect of computerised decision support alerts tailored to intensive care on the administration of high-risk drug combinations, and their monitoring: a cluster randomised stepped-wedge trial. Lancet (London, England) 2024;403:439-49.

オランダの9箇所のICUで行われた施設単位のbefore-after studyで、併用に関して注意が必要な薬剤が処方された場合に警告を発するprogramをICUに特化した内容にupdateし、その効果を検証した報告です。併用注意薬としてはQT延長作用を有する薬剤の重複、同効薬の重複、CYPによる代謝への影響などが取り上げられています。約10000症例が解析対象となり、ICUに特化したprogramを使用することによって無駄なalertの発生が有意に減少したことが報告されています。

 

2024年2月29日 (木)

ICUでの呼吸器感染症患者に対するルーチンでの病原菌ゲノム検査の有用性

Charalampous T, Alcolea-Medina A, Snell LB, Alder C, Tan M, Williams TGS, Al-Yaakoubi N, Humayun G, Meadows CIS, Wyncoll DLA, Paul R, Hemsley CJ, Jeyaratnam D, Newsholme W, Goldenberg S, Patel A, Tucker F, Nebbia G, Wilks M, Chand M, Cliff PR, Batra R, O'Grady J, Barrett NA, Edgeworth JD. Routine Metagenomics Service for ICU Patients with Respiratory Infection. American journal of respiratory and critical care medicine 2024;209:164-74.

英国の研究者が行った研究で、市中肺炎、院内肺炎患者におけるBAL中の細菌検査に関して通常の培養とゲノム検査を比較した報告です。ゲノム検査の特徴は短時間で起因菌評価および耐性遺伝子の有無を評価できる点、ウイルスの診断が可能な点が挙げられており、細菌培養での同定が40時間を要するのに対してゲノム検査では6時間で結果が得られると記載されています。約120検体を対象として解析した結果、感度93%、特異度81%であると報告されています。

 

2024年2月26日 (月)

呼吸性の酸塩基平衡異常に対する代償機能の評価

Zadek F, Danieli A, Brusatori S, Giosa L, Krbec M, Antolini L, Fumagalli R, Langer T. Combining the Physical-Chemical Approach with Standard Base Excess to Understand the Compensation of Respiratory Acid-Base Derangements: An Individual Participant Meta-analysis Approach to Data from Multiple Canine and Human Experiments. Anesthesiology 2024;140:116-25.

イタリアの研究者がまとめたmeta-解析で、呼吸性アシドーシスに対する代謝性代償の機序をphysiochemical approach,いわゆるStewart approachで解析した報告です。イヌを用いた8件の動物実験報告とヒトを対象とした3件の報告を、急性の呼吸性アシドーシスと慢性呼吸性アシドーシスに分けて解析しています。Stewart approachでは重炭酸イオンの増加はstrong ion difference(SID)の増加によって生じると理解されており、急性の呼吸性アシドーシスに対する代償反応はNa濃度の増加によるSID増加、慢性呼吸性アシドーシスに対する代償反応はCl濃度低下によるSID増加である事が示されています。

 

2024年2月22日 (木)

せん妄を呈するICU緊急入室患者におけるhaloperidolの効果

Mortensen CB, Andersen-Ranberg NC, Poulsen LM, Granholm A, Rasmussen BS, Kjær MN, Lange T, Ebdrup BH, Collet MO, Andreasen AS, Bestle MH, Uslu B, Pedersen HS, Nielsen LG, Hästbacka J, Jensen TB, Damgaard K, Sommer T, Morgen M, Dey N, Citerio G, Estrup S, Egerod I, Samuelson K, Perner A, Mathiesen O. Long-term outcomes with haloperidol versus placebo in acutely admitted adult ICU patients with delirium. Intensive care medicine 2024;50:103-13.

2022年にN Engl J Medに掲載されたヨーロッパで行われた多施設RCTであるAID-ICU trialの2次解析です。主解析では30日までの予後を解析し、有意差が認められないという結果になりましたが,本解析では1年後の生存率およびQOLを比較しています。せん妄を呈するICU患者約800症例を対象として解析した結果、1年生存率はhaloperidol投与群で有意な改善が認められています。一方、QOLに関しては有意差は認められませんでした。

 

2024年2月19日 (月)

予測体重補正尿量を用いた修正AKI診断基準は院内死亡率予測精度を向上させる

Hessler M, Arnemann PH, Jentzsch I, Görlich D, Morelli A, Rehberg SW, Ertmer C, Kampmeier TG: Adjusting Acute Kidney Injury Kidney Disease: Improving Global Outcomes Urine Output Criterion for Predicted Body Weight Improves Prediction of Hospital Mortality. Anesth Analg 2024; 138: 134-140

ドイツの研究者が行ったretrospective studyで、AKI診断の際の尿量の評価に予測体重を用いることによって院内死亡率の予測精度が向上するかどうかを検討した報告です。2007年から2011年の間の心臓外科手術患者約3300症例を対象として解析した結果、実体重を用いた尿量によるAKI発生頻度は50%であるのに対して、予測体重を用いた場合、43%に減少することが示されています。院内死亡率に関しては予測体重を用いたKDIGO stage 2の死亡率が6%から11%に増加しています。死亡率を直接比較した場合の統計学的有意差はありませんが、AUROCで評価すると予測体重を用いたAKI診断の精度が有意に向上することが示されています。

 

麻酔覚醒時の脳波所見とPACUにおけるせん妄の関連

Ostertag J, Engelhard A, Nuttall R, Aydin D, Schneider G, García PS, Hinzmann D, Sleigh JW, Kratzer S, Kreuzer M. Development of Postanesthesia Care Unit Delirium Is Associated with Differences in Aperiodic and Periodic Alpha Parameters of the Electroencephalogram during Emergence from General Anesthesia: Results from a Prospective Observational Cohort Study. Anesthesiology 2024;140:73-84.

ドイツの研究者が行った研究の2次解析で、麻酔覚醒時の前頭部alpha波の律動と麻酔覚醒時せん妄の関連を検討した報告です。主解析の結果は2019年のBr J Anaesthと2022年のJ Clin Anesthに報告されています。本解析ではalpha波を律動成分とバックグラウンド成分に分けて解析しています。本解析では169症例中19%で覚醒時せん妄が発生しており、非せん妄発生群では覚醒過程のalpha波律動成分が多く、覚醒に従って減少する傾向が認められていますが、せん妄発生群では覚醒過程のalpha波律動成分が非せん妄発生軍と比較して低値であり、覚醒過程での経時的な変化が認められないことが示されています。



 

2024年2月16日 (金)

重症小児患者に対する酸素化目標に関するRCT

Peters MJ, Gould DW, Ray S, Thomas K, Chang I, Orzol M, O'Neill L, Agbeko R, Au C, Draper E, Elliot-Major L, Giallongo E, Jones GAL, Lampro L, Lillie J, Pappachan J, Peters S, Ramnarayan P, Sadique Z, Rowan KM, Harrison DA, Mouncey PR. Conservative versus liberal oxygenation targets in critically ill children (Oxy-PICU): a UK multicentre, open, parallel-group, randomised clinical trial. Lancet (London, England) 2024;403:355-64.

英国で行われた多施設RCTで、0歳から16歳までの小児患者で緊急に人工呼吸が必要となった患児におけるSpO2目標値を下げることの意義を検討した報告です。制限的酸素化群、非制限的酸素化群それぞれSpO2の目標値として88-92%、94%以上が用いられています。2040症例をランダム化し、30日までの死亡、人工呼吸を含む臓器機能補助の有無を主要評価項目として比較した結果、制限的酸素化群で人工呼吸装着期間が短縮し、有意差が認められています。考察では、効果量としては小さいものの症例数を勘案すると酸素化目標を下げることの意義は大きいと述べられています。

 

2024年2月15日 (木)

重症患者における平衡電解質輸液の適応と投与量が死亡率に及ぼす影響

Zampieri FG, Machado FR, Veiga VC, Azevedo LCP, Bagshaw SM, Damiani LP, Cavalcanti AB. Determinants of fluid use and the association between volume of fluid used and effect of balanced solutions on mortality in critically ill patients: a secondary analysis of the BaSICS trial. Intensive care medicine 2024;50:79-89.

2021年にJAMAに掲載されたBaSICS trialの2次解析です。BaSICS trialでは約1万症例の重症患者を対象としてPlasmaLyte 148と生理食塩水で90日死亡率を比較したRCTで、本2次解析では施設による輸液戦略の相違と輸液の種類に交互作用があると仮説し、おもにベイス統計の手法を用いて解析しています。結果として研究対象者のbaselineよりも施設による輸液戦略の相違と予後に関する関連が存在し、特に敗血症、輸液投与量4liter以上の症例においてPlasmalyte 148が良好な予後と関連が認められることが示されています。

 

2024年2月 9日 (金)

術前1時間まで水分摂取を許容した場合の呼吸器合併症発生率

Schmitz A, Kuhn F, Hofmann J, Habre W, Erb T, Preuss M, Wendel-Garcia PD, Weiss M, Schmidt AR. Incidence of adverse respiratory events after adjustment of clear fluid fasting recommendations to 1 h: a prospective, observational, multi-institutional cohort study. British journal of anaesthesia 2024;132:66-75.

本研究の背景として最新のguidelineでは小児症例では術前経口水分摂取を1時間前まで許容されている点が挙げられます。本研究が行われたスイスの麻酔科学会も1時間前までの清澄水摂取を許容しているようです。本研究ではguideline発表後の小児症例での周術期誤嚥の頻度を報告しています。スイスの11施設約2万2千症例を対象として解析した結果、気道内に消化管内容が確認された誤嚥の発生頻度は0.11%である事が示されています。対象患者の内実際に2時間以内に水分を摂取した症例は約1/3で、2/3は2時間以上の水分摂取制限が行われています。両群の間に誤嚥の発生頻度の差は認められず、経口摂取制限を緩和しても誤嚥の頻度は増加しなかったと結論されています。

 

2024年2月 8日 (木)

敗血症性AKIに対する遺伝子組み換えalkaline phosphataseの効果

Pickkers P, Angus DC, Bass K, Bellomo R, van den Berg E, Bernholz J, Bestle MH, Doi K, Doig CJ, Ferrer R, Francois B, Gammelager H, Pedersen UG, Hoste E, Iversen S, Joannidis M, Kellum JA, Liu K, Meersch M, Mehta R, Millington S, Murray PT, Nichol A, Ostermann M, Pettilä V, Solling C, Winkel M, Young PJ, Zarbock A. Phase-3 trial of recombinant human alkaline phosphatase for patients with sepsis-associated acute kidney injury (REVIVAL). Intensive care medicine 2024;50:68-78.

alkaline phsophataseはエンドトキシン、細胞外ATPに対して脱リン酸作用を示し、抗炎症的に作用する可能性が示唆されています。本研究では敗血症性AKI(SA-AKI)患者に対して遺伝子組み換えalkaline phosphataseあるいはplaceboを3日間投与し、28日死亡率および90日MAKEを評価項目として比較しています。世界規模で1400症例を組み入れる予定で開始されていますが、650症例の段階で中間解析を行い、有意差が見られなかったため中断となっています。一方、発症前のeGFR低値のsubgroupではRRT施行率が低下することが示されています。

 

2024年2月 6日 (火)

拡張障害診断に関する術前経胸壁心エコー検査と全麻下経食道心エコー検査の一致度

McIlroy DR, Wettig P, Burton J, Neylan A, French B, Lin E, Hastings S, Waldron BJF, Buckland MR, Myles PS. Poor Agreement Between Preoperative Transthoracic Echocardiography and Intraoperative Transesophageal Echocardiography for Grading Diastolic Dysfunction. Anesthesia and analgesia 2024;138:123-33.

オーストラリアの研究者が行ったprospective, observational studyで、心臓外科手術患者における拡張能障害の診断に関して麻酔導入前の経胸壁心エコーと麻酔導入後の経食道心エコーで比較した報告です。主要評価項目としては4段階のscoreの一致度、副次評価項目としては組織dopplerの指標の誤差が用いられています。CABGまたはAVR患者98症例を対象として比較した結果、scoreの1段階不一致が54%、2段階不一致が10%発生している事が示されています。Discussionでは両者の誤差の原因は不明と考察されています。

 

2024年2月 5日 (月)

非心臓手術患者における入院中の合併症と退院後の予後の関連

Roshanov PS, Chan MTV, Borges FK, Conen D, Wang CY, Xavier D, Berwanger O, Marcucci M, Sessler DI, Szczeklik W, Spence J, Alonso-Coello P, Fernández C, Pearse RM, Malaga G, Garg AX, Srinathan SK, Jacka MJ, Tandon V, McGillion M, Popova E, Sigamani A, Abraham V, Biccard BM, Villar JC, Chow CK, Polanczyk CA, Tiboni M, Whitlock R, Ackland GL, Panju M, Lamy A, Sapsford R, Williams C, Wu WKK, Cortés OL, MacNeil SD, Patel A, Belley-Côté EP, Ofori S, McIntyre WF, Leong DP, Heels-Ansdell D, Gregus K, Devereaux PJ. One-year Outcomes after Discharge from Noncardiac Surgery and Association between Predischarge Complications and Death after Discharge: Analysis of the VISION Prospective Cohort Study. Anesthesiology 2024;140:8-24.

2014年にAnesthesiologyに掲載されたVISION studyの2次解析で、退院から1年後までの死亡と入院中の術後合併症の関連を調査した報告です。VISION studyの対象のうち1年予後が追跡できた約3万7千症例が対象となり、1年以内の死亡が5.8%の症例で発生しています。術後合併症の発生頻度としては出血14.2%、敗血症に該当しない感染症3.2%、心筋障害3.2%と報告されています。これらの合併症と退院後1年以内の死亡との間には有意な関連が認められています。

 

2024年2月 2日 (金)

重症患者に対する普遍的な緩和ケアコンサルテーションの効果

Courtright KR, Madden V, Bayes B, Chowdhury M, Whitman C, Small DS, Harhay MO, Parra S, Cooney-Zingman E, Ersek M, Escobar GJ, Hill SH, Halpern SD. Default Palliative Care Consultation for Seriously Ill Hospitalized Patients: A Pragmatic Cluster Randomized Trial. Jama 2024;331:224-32.

米国の研究者が行った多施設RCTで、65歳以上の非がん性重症患者に対する緩和ケアコンサルテーションが入院期間に及ぼす影響を検討した報告です。酸素を必要とするCOPD患者、血液透析を必要とする慢性腎臓病患者、介護を必要とする認知症患者を対象とし、研究に参加した11施設で約2万3千症例を対象として解析した結果、通常診療では緩和ケアコンサルテーションが行われたのが11%であったのに対して介入後には55%まで増加しています。入院期間、ICU在室期間、ICU死亡率には差が認められませんでしたが、ホスピスへの退院、DNAR orderの頻度などが増加しており、副次的評価項目に関しては普遍的な緩和ケアコンサルテーションの効果が示されています。

 

2024年2月 1日 (木)

心停止に対する体外循環による蘇生成功と年齢の関連

George N, Stephens K, Ball E, Crandall C, Ouchi K, Unruh M, Kamdar N, Myaskovsky L. Extracorporeal Membrane Oxygenation for Cardiac Arrest: Does Age Matter? Critical care medicine 2024;52:20-30.

米国の研究者が国際的なESLO registryを用いて行ったretrospective studyで、心停止に対する体外循環による蘇生(ECPR)による蘇生成功と年齢の関連を検討した報告です。2010年から2020年までの約5000症例が対象であり、65歳以上の症例数が比較的安定しているのに対して、18から64歳までの症例は経時的に増加しています。64歳以下をreferenceとして、65~74歳、75歳以上の症例の生存退院の可能性を検討した結果、有意に低値であることが示されています。

 

2024年1月30日 (火)

拡大手術患者における前頭部脳波alpha powerと術後せん妄の関連

Kinoshita H, Saito J, Kushikata T, Oyama T, Takekawa D, Hashiba E, Sawa T, Hirota K. The Perioperative Frontal Relative Ratio of the Alpha Power of Electroencephalography for Predicting Postoperative Delirium After Highly Invasive Surgery: A Prospective Observational Study. Anesthesia and analgesia 2023;137:1279-88.

日本の研究者が行ったprospective studyで、術後せん妄のリスク因子としての脳波所見、血中炎症マーカーを評価した報告です。脳波としてはBISモニタの出力を解析して前頭部alpha powerを評価しています。食道がん根治術、喉頭がん根治再建術を受ける患者80例を対象として解析した結果、術後せん妄を生じたのは25症例でした。前頭部alpha powerは経時的に減少し、せん妄発生群で有意に低値であることが示されています。一方、炎症マーカーはせん妄発生群、非発生群で有意差は認められませんでした。

 

2024年1月29日 (月)

ARDS患者におけるリクルートメント効果の評価

Grieco DL, Pintaudi G, Bongiovanni F, Anzellotti GM, Menga LS, Cesarano M, Dell'Anna AM, Rosá T, Delle Cese L, Bello G, Giammatteo V, Gennenzi V, Tanzarella ES, Cutuli SL, De Pascale G, De Gaetano A, Maggiore SM, Antonelli M. Recruitment-to-inflation Ratio Assessed through Sequential End-expiratory Lung Volume Measurement in Acute Respiratory Distress Syndrome. Anesthesiology 2023;139:801-14.

イタリアの研究者が行ったprospective, observational studyで、ARDS患者におけるhigh PEEPとlow PEEPの生理学的な意味をrecruitment-to-inflation ratioという指標を用いて検討した報告です。high PEEPとしては15cmH2O、low PEEPとしては5cmH2Oが用いられており、PEEP 15cmH2Oから5cmH2Oにdown titrationする際のend-expiratory lung volumeを窒素washout法で測定し、PEEP levelの差で割った数値をrecruitment-to-inflation ratioとしている模様です。COVID-19由来のARDS患者20症例を対象として解析した結果、recruitment-to-inflation ratioは直線的に変化するわけではなく、10cmH2O前後で最高値となる双曲線型の変化を示すことが明らかになっています。



 

2024年1月26日 (金)

貧血を呈する心筋梗塞患者に対する制限的輸血戦略

Carson JL, Brooks MM, Hébert PC, Goodman SG, Bertolet M, Glynn SA, Chaitman BR, Simon T, Lopes RD, Goldsweig AM, DeFilippis AP, Abbott JD, Potter BJ, Carrier FM, Rao SV, Cooper HA, Ghafghazi S, Fergusson DA, Kostis WJ, Noveck H, Kim S, Tessalee M, Ducrocq G, de Barros ESPGM, Triulzi DJ, Alsweiler C, Menegus MA, Neary JD, Uhl L, Strom JB, Fordyce CB, Ferrari E, Silvain J, Wood FO, Daneault B, Polonsky TS, Senaratne M, Puymirat E, Bouleti C, Lattuca B, White HD, Kelsey SF, Steg PG, Alexander JH. Restrictive or Liberal Transfusion Strategy in Myocardial Infarction and Anemia. The New England journal of medicine 2023;389:2446-56.

米国の研究者が中心となって行った国際的多施設研究でHb<10g/dl未満の心筋梗塞患者における制限的輸血戦略と非制限的輸血戦略を比較した報告です。制限的輸血戦略群ではHb<7~8g/dlでは主治医の判断、Hb<7g/dlでは全例輸血を施行するprotocolが用いられています。非制限的輸血群ではHb>10g/dlまで輸血施行となっています。約3600症例をランダム化し、30日までの心筋梗塞再発または死亡をアウトカムとして比較しています。結果として統計学的有意差は認められませんでしたが、多くのアウトカムで非制限的輸血群で良好な傾向が示されています。

 

2024年1月25日 (木)

院外心停止蘇生患者に対する病院到着前高用量methylprednisoloneの効果

Obling LER, Beske RP, Meyer MAS, Grand J, Wiberg S, Nyholm B, Josiassen J, Søndergaard FT, Mohr T, Damm-Hejmdal A, Bjerre M, Frikke-Schmidt R, Folke F, Møller JE, Kjaergaard J, Hassager C: Prehospital high-dose methylprednisolone in resuscitated out-of-hospital cardiac arrest patients (STEROHCA): a randomized clinical trial. Intensive Care Med 2023; 49: 1467-1478

デンマークの研究者が行ったphase II RCTで、院外心停止蘇生後患者に対する病院前methylpredonisolone投与が蘇生後の炎症反応に及ぼす影響を検討した報告です。蘇生後72時間までの血中IL-6濃度とmethylpredonisolone 250mgとneuron specific enolaseの濃度をmethylpredonisolone 250mg投与群とplaceboで比較しています。158症例をランダム化して比較した結果、24時間のIL-6濃度が有意に低下することが示されています。secondary outcomeの6ヶ月後死亡率もmethylpredonisolone群で低下しています。

 

2024年1月22日 (月)

麻酔覚醒時の脳波の推移から見たせん妄リスクの評価

Dragovic S, Schneider G, García PS, Hinzmann D, Sleigh J, Kratzer S, Kreuzer M. Predictors of Low Risk for Delirium during Anesthesia Emergence. Anesthesiology 2023;139:757-68.

ドイツの研究者が行ったprospective studyで、2022年にJ Clin Anesthに掲載されたstudyの追加解析です。覚醒時の脳波のpowerの変化と術後せん妄の関連を検討しています。非心臓手術患者169症例が対象となり、覚醒時の全波長、各波長のpowerの変化を解析しています。術後せん妄の発生頻度は19%で、覚醒時の脳波のpowerが増加傾向を示した症例ではせん妄発生リスクが約2倍である事が示されています。また、減少傾向を示した症例ではせん妄リスクが低い事も示されています。

 

2024年1月19日 (金)

低侵襲開胸手術における術野での傍脊椎ブロックの有効性

Chenesseau J, Fourdrain A, Pastene B, Charvet A, Rivory A, Baumstarck K, Bouabdallah I, Trousse D, Boulate D, Brioude G, Gust L, Vasse M, Braggio C, Mora P, Labarriere A, Zieleskiewicz L, Leone M, Thomas PA, D'Journo XB. Effectiveness of Surgeon-Performed Paravertebral Block Analgesia for Minimally Invasive Thoracic Surgery: A Randomized Clinical Trial. JAMA surgery 2023;158:1255-63.

フランスの研究者が行った単施設RCTで、VATS手術患者における術後鎮痛として麻酔科医による超音波ガイド下傍脊椎ブロック(PVB-US)に対する術中外科医による傍脊椎ブロック(PVB-VATS)の非劣性を検討した報告です。196症例をランダム化し、術後48時間までのオピオイド使用量を主要評価項目として比較した結果、PVB-VATSの非劣性が確認されました。PVB-VATS、PVB-USの不成功率はそれぞれ6%、10%とされています。

 

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近況報告

  • 2024年
    17年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 日本麻酔科学会学術集会
    6/1に共催セミナーとJAシンポジウムで発表します。 6/2は共催セミナーで発表します。 多数のご来場をお待ちしています。
  • 2023年
    16年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 集中治療医学会@仙台
    3/19午後に英文機関誌編集委員会の企画「アクセプトされるコツ」があります。ご参加をお待ちしています。
  • 2022年
    15年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 循環制御医学会共催セミナー
    2月20日10:10から循環制御医学会の共催セミナーで発表させていただきます。「術中低血圧回避とモニタリング」という内容です。お時間があるようでしたら御視聴ください。
  • 2021年
    14年目になりました。引き続き宜しくお願いします。
  • 論文掲載
    HES 130/0.4に関する日本のDPC dataを用いたretrospective studyがJ Anesthの34巻6号に掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会
    2/22(土)に昭和大学で体液代謝管理研究会が開催されます。管理人は共催セミナーで「輸液は腎臓を守れるか」というタイトルで発表させていただきます。多数のご参加をお待ちしております。
  • 2020年
    13年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
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