2019年5月21日 (火)

全身麻酔は認知機能低下と関連するか?

Strand AK, Nyqvist F, Ekdahl A, Wingren G, Eintrei C. Is there a relationship between anaesthesia and dementia? Acta anaesthesiologica Scandinavica 2019;63:440-7.

スウェーデンの研究者がまとめたretrospective studyで、麻酔暴露と認知機能障害の関連を検討した報告です。類似した報告とは異なる解析方法が用いられており、本報告では、健康保険の10万症例からなるdatabaseを用いてalzheimer disease (AD)など認知機能障害と診断された約430症例と対照症例420症例で過去20年の麻酔暴露の有無を比較しています。

AD群の39%、対照群の22%で麻酔経験があり統計学的に有意差が認められています。麻酔方法として局所麻酔、揮発性麻酔薬による全身麻酔(GA gas)、揮発性麻酔薬以外での全身麻酔(GA no gas)で比較したところ、揮発性麻酔薬による全身麻酔がADの有意なリスク因子であることが示されています。考察ではpropofolに神経保護作用がある可能性、重症例で局所麻酔が選択された可能性および麻酔ではなく手術侵襲の影響出会った可能性が挙げられています。

 

2019年5月20日 (月)

全負荷依存性状態の腹部手術患者では舌下微小循環が減少している

Bouattour K, Teboul JL, Varin L, Vicaut E, Duranteau J. Preload Dependence Is Associated with Reduced Sublingual Microcirculation during Major Abdominal Surgery. Anesthesiology 2019;130:541-9.

フランスの研究者が行ったprospective, observational studyで、予定時間90分以上の開腹手術患者でPPVを目標とした輸液負荷が舌の微小循環に及ぼす影響を解析しています。17症例において10分ごとにPPVを含むmacrocirculationと生体顕微鏡による舌の微小循環の定量評価が行われています。PPV>13%をトリガーとした輸液負荷が32回行われており、輸液負荷直前には微小循環が傷害されており、輸液負荷によって回復することが示されています。一方、平均動脈圧には改善が認められませんでした。結語では開腹手術患者における前負荷依存性状態では微小循環が障害されており、輸液負荷によって改善すると述べられています。

 

2019年5月17日 (金)

拡大手術術後のせん妄と長期的な認知機能低下の関連

 Austin CA, O'Gorman T, Stern E, et al. Association Between Postoperative Delirium and Long-term Cognitive Function After Major Nonemergent Surgery. JAMA surgery 2019.

米国の1施設で行われたprospective, observational studyで、1日以上入院を要する待機的手術患者を対象として術後せん妄と長期的な認知機能低下の関連を調査した報告です。術後せん妄の評価は術後1から3日目までのconfusion assessement method、長期的な認知機能の評価は術前と90日後のT-MoCAという指標が用いられています。対象患者は191症例で平均年齢57歳、平均ASA PSは2.7と記載されています。対象患者のうち59例で術後せん妄が発症しており、術前から認知機能低下を認めた症例で術後せん妄のリスクが増加していることが示されています。交絡因子調整後の解析では術後せん妄と手術前後のT-MoCA scoreの変化には有意な関連は認められないようです。一方、術前認知機能が低下している患者群では術後に改善する傾向が認められています。この理由に関してはいくつかの可能性が考察されています。

 

2019年5月16日 (木)

中程度から重傷の頭部外傷患者における持続脳波モニタ

Lee H, Mizrahi MA, Hartings JA, et al. Continuous Electroencephalography After Moderate to Severe Traumatic Brain Injury. Critical care medicine 2019;47:574-82.

米国で行われた重傷頭部外傷患者に対するglutamine酸のアナログに関するRCTの2次解析で、持続脳波モニタリングの所見と予後の関連を検討しています。GCS中央値が7の重傷頭部外傷患者を対象として72時間持続脳波モニタリングが行われた155症例を対象として解析しています。脳波所見としてはbackground activityの異常を3段階、ictal-interictal continuumの異常を4段階で評価しています。結果として49%の症例で重篤な脳波異常を認めましたが、けいれんを生じた症例は4例のみと記載されています。中程度以上の脳波異常の有無で評価した場合、脳波異常と予後には相関が認められませんでしたが、posterior dominant rhythmの消失、N2 sleep transientの消失および優位なbackground delta activityなどの所見を含めることによって予後の予測精度が向上することが示されています。

2019年5月14日 (火)

米国外科学会外科手術リスク算出システムを用いた術前リスク評価

Raymond BL, Wanderer JP, Hawkins AT, et al. Use of the American College of Surgeons National Surgical Quality Improvement Program Surgical Risk Calculator During Preoperative Risk Discussion: The Patient Perspective. Anesthesia and analgesia 2019;128:643-50.

米国のVanderbilt大学で行われたsurveyの結果を解析した報告で、米国外科学会外科手術リスク算出システム(ACS calculator)による客観的リスク評価に関する患者の受け入れを調査しています。術前外来(PEC)受診時に自己評価を行い、その後ACS calculatorによる評価を伝えています。対象患者150症例で平均年齢54歳、ASA PS 3が50%、背部痛に対する脊椎手術の患者が多く、悪性腫瘍手術の患者は22%とされています。結果として、リスクの高い症例ほど自己リスクを過小評価していることが示されています。また、70%の患者がリスクを減少させられるのであればprehabilitationを行うと回答しています。

 

2019年5月13日 (月)

ICD埋め込み患者における電気メス対極板装着位置と電磁妨害

Schulman PM, Treggiari MM, Yanez ND, et al. Electromagnetic Interference with Protocolized Electrosurgery Dispersive Electrode Positioning in Patients with Implantable Cardioverter Defibrillators. Anesthesiology 2019;130:530-40.

米国で行われたobservational studyで、ICD埋め込み患者における対極板装着位置と電磁妨害の関連を検討した報告です。対象患者144症例を臍上部の手術、臍下部の手術、心臓手術に分けて対極板装着部位をprotocol化して検討しており、figureが添付されています。また、頻脈に対する除細動機能はinactivateした上で検討したと記載されています。結果として臍下部の手術では電磁妨害は認められませんでしたが、臍上部の手術では20%の症例で電磁妨害を認め、7%の症例で臨床的に有意な妨害であったと述べられています。心臓手術では背側に対極板を装着して検討していますが、高率に電磁妨害が生じています。

2019年5月10日 (金)

開腹肝切除術における硬膜外ブロックと持続局所麻酔薬注入の比較

 Bell R, Ward D, Jeffery J, et al. A Randomized Controlled Trial Comparing Epidural Analgesia Versus Continuous Local Anesthetic Infiltration Via Abdominal Wound Catheter in Open Liver Resection. Annals of surgery 2019;269:413-9.

4月は適当な論文が少ないため3月号掲載の論文を紹介します。英国で行われたRCTで、開腹肝切除術(OLR)患者に対する術後鎮痛手段として硬膜外ブロック(EP)と創部局所麻酔薬注入(abdominal wound catheter, AWC)とiv-PCAの組み合わせを比較しています。両群とも5日間局所麻酔薬投与が行われています。主要評価項目は入院期間で、術後pain score、輸液量、合併症発生率なども検討対象となっています。83症例を対象として検討した結果、入院期間、合併症発生率等には差がなく、EP群で輸液量、血管作動薬投与期間が長く、AWC群で2日目までのpain scoreが高値であることが示されています。EP群で20%のfailureが発生したのに対してAWC群でのfailureは7%であったと述べられています。考察では本研究施行後、該当施設でのOLR症例ではAWCによる疼痛管理に変更したと述べられています。

 

2019年5月 9日 (木)

敗血症性ショック患者における血小板減少症の意義

Menard CE, Kumar A, Houston DS, et al. Evolution and Impact of Thrombocytopenia in Septic Shock: A Retrospective Cohort Study. Critical care medicine 2019;47:558-65.

カナダの研究者がまとめたretrospective studyで、2施設における敗血症性ショック患者の血小板減少症の意義を解析した報告です。血小板減少症の定義としては10万/mm3が用いられています。対象患者980症例のうち、血小板減少に該当した症例が45%で、大多数の症例でICU入室2日目から低下が始まっています。血小板減少は死亡リスクおよびICU在室日数延長の有意なリスク因子であることが示されています。一方、病態の改善とともに血小板数が回復する傾向が認められており、血管作動薬離脱から2日目に回復する症例が多いことが示されています。

 

2019年5月 7日 (火)

第2世代DESによるPCI施行患者における手術時の心臓リスク

Cardiac Risk of Noncardiac Surgery After Percutaneous Coronary Intervention With Second-Generation Drug-Eluting Stents. Anesth Analg. 2019 Apr;128(4):621-628.

2019年5月 2日 (木)

重症患者における腹腔内圧上昇の頻度、リスク因子および予後

Reintam Blaser A, Regli A, De Keulenaer B, et al. Incidence, Risk Factors, and Outcomes of Intra-Abdominal Hypertension in Critically Ill Patients-A Prospective Multicenter Study (IROI Study). Crit Care Med 2019; 47: 535-542.

オーストラリアの研究者がまとめた多施設観察研究で、ICU患者における腹腔内圧上昇(IAH)および腹部コンパートメント症候群(ACS)の頻度、リスク因子、予後を解析した報告です。15施設、約490症例を対象として、IAP>12mmHgを基準として解析した結果、ICU入室期間中に49%の症例でIAHが発症、ACSの頻度は3.9%であり、多くが開腹による減圧術を受けていることが示されています。ICU入室から2週間までのIAH発生が28日および90日死亡の独立したリスク因子であり、BMI、APACHE II score、腹部膨満、蠕動音の欠如、PEEP>7cmH2OがIAH発症のリスク因子であることが示されています。

 

2019年4月30日 (火)

夜間手術と術中合併症、術後肺合併症の関連

Cortegiani A, Gregoretti C, Neto AS, et al. Association between night-time surgery and occurrence of intraoperative adverse events and postoperative pulmonary complications. Br J Anaesth 2019; 122: 361-369.

2017年にEur J Anaesthに掲載された多施設研究LAS VEGAS studyの2次解析で20:00から翌朝8:00までに麻酔導入が行われた場合、術中adverse eventsおよび術後呼吸器合併症のリスクが増加するかどうかを検証しています。対象症例約9900症例の5.6%が20:00から翌朝8:00までに麻酔導入が行われていますが、このうち72%が待期的手術であったと述べられています。多変量logistic解析では夜間の麻酔導入は術中adverse eventsおよび術後呼吸器合併症の独立したリスク因子であることが示されていますが、傾向スコアマッチングでは術中adverse eventには有意差がありましたが、呼吸器合併症には有意差は認められず、呼吸器合併症については麻酔導入のタイミング以外の要素が関与していると結論されています。

 

2019年4月26日 (金)

冠動脈bypass手術における吸入麻酔と静脈麻酔の比較

Landoni G, Lomivorotov VV, Nigro Neto C, et al. Volatile Anesthetics versus Total Intravenous Anesthesia for Cardiac Surgery. N Engl J Med 2019; 380: 1214-1225.

イタリアの研究者が行った多施設RCTで、on-pump、off-pumpを含めた冠動脈bypass手術患者3500症例を対象として、麻酔薬による12ヶ月死亡率への影響を比較した報告です。吸入麻酔薬群投与に関しては1MACを最低30分吸入など3つの介入のうちいずれかを行うことと定義されています。主要評価項目である12ヶ月死亡率、2次評価項目である30日死亡率、術後心筋梗塞などについて両群に差は認められず、冠動脈bypass術において吸入麻酔薬による保護作用は示されませんでした。

2019年4月25日 (木)

上半身挙上、impedance threshold deviceなどからなる心肺蘇生バンドルの安全性および実用性の検証

Pepe PE, Scheppke KA, Antevy PM, et al. Confirming the Clinical Safety and Feasibility of a Bundled Methodology to Improve Cardiopulmonary Resuscitation Involving a Head-Up/Torso-Up Chest Compression Technique. Crit Care Med 2019; 47: 449-455.

米国florida州のemergency medical serviceのdataを用いたbefore-after studyで、蘇生中の脳血流改善を目的としたbundle導入によって蘇生成功率が向上したかどうかを検討しています。bundleはいわゆるactive compression-decompressionによる胸部圧迫、impedance threshold deviceの使用、蘇生初期の陽圧呼吸回避、蘇生途中から20°のreverse trenderenburg体位などからなっています。3年6ヶ月の研究期間に約2300症例の院外心停止患者に対する蘇生が行われ、bundle適応前の神経学的予後良好な蘇生率が15%程度であったのと比べ、bundle適応後の蘇生率が35%程度まで改善していることが示されています。

 

2019年4月23日 (火)

preoxigenation後の低酸素血症の頻度およびリスク因子

Baillard C, Boubaya M, Statescu E, et al. Incidence and risk factors of hypoxaemia after preoxygenation at induction of anaesthesia. Br J Anaesth 2019; 122: 388-394.

フランスの3施設で行われたprospective, observational studyで、麻酔導入から気道確保終了までの期間のSpO2低下のリスク因子を解析した報告です。preoxygenationは仰臥位で100%酸素12lを最低3分間投与することで行われています。対象患者約2400症例のうちSpO2<95%は6.6%、SpO2<90%は1.4%でした。SpO2低下のリスク因子はCOPD、高血圧、マスク換気困難、挿管困難が挙げられています。また3分間の酸素投与でも呼気O2濃度が90%に達しない症例(difficult preoxygenation)が50%、5分間酸素投与でも呼気O2濃度が90%に達しない症例が30%であることが示されています。2次解析として行われたマスク換気困難、挿管困難の発生頻度はいずれも6%であることが示されています。

 

2019年4月22日 (月)

肺炎由来のARDS患者ではNETsが増加している

Bendib I, de Chaisemartin L, Granger V, Schlemmer F, Maitre B, Hue S, Surenaud M, Beldi-Ferchiou A, Carteaux G, Razazi K, Chollet-Martin S, Mekontso Dessap A, de Prost N. Neutrophil Extracellular Traps Are Elevated in Patients with Pneumonia-related Acute Respiratory Distress Syndrome. Anesthesiology 2019;130:581-91.

フランスの研究者が行ったprospective, observational studyで、moderateからsevere ARDS患者35症例および対照患者4名を対象としてBALF中および血漿のNETs濃度の意義を検討しています。NETsはneutrophil extracellular trapの略で、ARDSを含む炎症性病態で感染制御および好中球由来の組織障害の両面に関与していると考えられています。ARDS患者ではBALF中のNETs濃度が対象患者と比較して有意に高値であることが示されています。また、BALF中の好中球数と正の相関関係が認められています。ARDS患者をBALF中のNETs濃度で2群に分けて解析した結果、NETs濃度高値群で酸素化が良好かつ28 day ventilator free daysが高目ですが、統計学的有意差には至っていません。

 

2019年4月16日 (火)

開腹手術後30日までの再入院と筋弛緩拮抗との関連

Oh TK, Oh AY, Ryu JH, et al. Retrospective analysis of 30-day unplanned readmission after major abdominal surgery with reversal by sugammadex or neostigmine. Br J Anaesth 2019; 122: 370-378.

韓国の研究者がまとめたretrospective studyで、開腹手術患者における退院から30日までの再入院と筋弛緩拮抗の関連を検討しています。解析に際してsugammadexとneostigmineの比較、手術侵襲の程度、rocuronium総投与量、remifentanil総投与量が説明変数として用いられています。propensity matchしたsugammadex群約350症例、neostigmine群約1200症例を比較した結果、sugammadexによる拮抗は30日までの再入院リスクを有意に減少させることが示されています。

 

2019年4月15日 (月)

院内心停止患者でのCPR, 除細動およびepinephrine投与の遅れは生存率を低下させる

 Bircher NG, Chan PS, Xu Y, et al. Delays in Cardiopulmonary Resuscitation, Defibrillation, and Epinephrine Administration All Decrease Survival in In-hospital Cardiac Arrest. Anesthesiology 2019; 130: 414-422.

米国の大規模databaseを用いた解析で、院内心停止事例約5万7千件を対象として、心停止覚知からCPR開始までの時間、shockable rhythmでのDC施行、非shockable rhythmでのepinephrine投与までの時間と予後の関連を検討しています。内訳はshockable rhythm、DC群が約1万1千件、非shockable rhythm、epinephrine群が約4万6千件となっています。主な知見としては院内心停止であってもCPR開始まで1分以上を要した症例が6%程度存在すること、いずれの病態であってもCPR開始の遅れが予後を悪化させること、CPR開始からDC施行、あるいはCPR開始からepinephrine投与までの間隔が延びると予後が悪化すること、とまとめられています。


 

2019年4月12日 (金)

一般病棟におけるchlorhexidine清拭と通常の清拭が多剤耐性菌およびすべての菌による血流感染症に及ぼす影響

Huang SS, Septimus E, Kleinman K, Moody J, Hickok J, Heim L, Gombosev A, Avery TR, Haffenreffer K, Shimelman L, Hayden MK, Weinstein RA, Spencer-Smith C, Kaganov RE, Murphy MV, Forehand T, Lankiewicz J, Coady MH, Portillo L, Sarup-Patel J, Jernigan JA, Perlin JB, Platt R. Chlorhexidine versus routine bathing to prevent multidrug-resistant organisms and all-cause bloodstream infections in general medical and surgical units (ABATE Infection trial): a cluster-randomised trial. Lancet (London, England) 2019;393:1205-15.

米国の研究者が行ったRCTで、一般病棟におけるchlorhexidine清拭(bathing and showering)が多剤耐性菌、血流感染症の頻度を減少させるかどうかを検討しています。評価としてはMRSAおよびVREの検出頻度およびCVC挿入患者における血流感染症の頻度が用いられています。米国の53施設、計194病棟を対象とし、12ヶ月間のbaseline dataを収集した上で、chlorhexidine清拭を行う病棟と通常管理の病棟に割り付けています。割り付け後の対象患者約34万症例を対象として検討した結果、chlorhexidine清拭によってMRSAおよびVREの検出頻度は減少していますが、統計学的有意差には至っていません。一方、対象患者の約10%に相当するCVC挿入患者では有意に血流感染症の頻度が減少することが示されています。





 

2019年4月11日 (木)

VAPと非挿管患者における細菌性肺炎が死亡リスクに及ぼす影響の比較

Ibn Saied W, Mourvillier B, Cohen Y, Ruckly S, Reignier J, Marcotte G, Siami S, Bouadma L, Darmon M, de Montmollin E, Argaud L, Kallel H, Garrouste-Orgeas M, Soufir L, Schwebel C, Souweine B, Glodgran-Toledano D, Papazian L, Timsit JF. A Comparison of the Mortality Risk Associated With Ventilator-Acquired Bacterial Pneumonia and Nonventilator ICU-Acquired Bacterial Pneumonia. Crit Care Med 2019; 47: 345-52.

フランスで行われた多施設観察研究outcomerea studyの2次解析で、侵襲的人工呼吸に伴うVAPと非侵襲的人工呼吸に併発するICU-HAP (ICU hospiral acquired pneumonia)の疫学を比較した報告です。フランス23施設で2日以上侵襲的人工呼吸あるいは非侵襲的人工呼吸を受けた症例をVAPあるいはICU-HAPのリスク症例と定義しています。それぞれrisk症例の15%、2%でVAP, ICU-HAPが発生していることが示されています。VAP、ICU-HAPを発症した症例では有意に30日死亡のリスクが増加することが示されています。一方、抗菌薬治療が適切であったかどうかは予後のリスク因子には当たらないことが示されています。


 

2019年4月 9日 (火)

肥満患者における非侵襲的連続的血圧測定

Rogge DE, Nicklas JY, Schon G, Grothe O, Haas SA, Reuter DA, Saugel B. Continuous Noninvasive Arterial Pressure Monitoring in Obese Patients During Bariatric Surgery: An Evaluation of the Vascular Unloading Technique (Clearsight system). Anesth Analg 2019; 128: 477-83.

ドイツの研究者が行ったprospective, observational studyで、BMI>35kg/m2の肥満患者35症例を対象として非観血的連続的血圧測定(ClearSightシステム)と観血的動脈圧測定を比較した報告です。比較には従来から用いられているBland-Altman分析に加えて、concordance analysis, error grid analysisという手法が用いられています。結果として平均動脈圧、拡張期圧に関する一致度はgoodですが、収縮期圧に関してはmoderateであることが明らかになっています。

 

«ARDS患者におけるAquaporinの遺伝子多型は炎症反応の程度および予後に影響する

過去の記事

近況報告

  • 第66回日本麻酔科学会
    初日の午後のシンポジウムおよび最終日のリフレッシャーコースで発表させていただきます。2日目の学術委員会企画でも座長を仰せつかっております。多数のご参加をお待ちしております。
  • 集中治療医学会@京都
    第20会場でのICUモニタリングup-to-dateというシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
  • J Intensive Care
    本年もreviewer of the yearに選んでいただきました。
  • 麻酔科研修ノート第3版
    稲田先生、上村先生、土田先生、村川先生編集による第3版が刊行されました。管理人も3項目執筆いたしました。
  • 2019年
    12年目になりました。ひきつづきよろしくお願いいたします。
  • Web seminar
    9/25夕方、大塚製薬工場さん主催のweb seminarで「生理学でひもとく最近の周術期循環管理」という内容で発表させていただきました。再放送も予定されているとのことですので、ご興味のある方は大塚製薬工場の担当者にご相談ください。
  • 病院移転
    6/16に行われた管理人の施設の移転が地上波で放送されることになりました(7/27夜NHK)。
  • 病院移転
    管理人の勤務先の新病院への移転が6/16に行われ、無事終了いたしました。
  • 集中治療医学会@幕張
    2/22(木)の午後のCTG委員会企画のシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • Journal of intensive care
    今年もreviewer of the yearに選んでいただいたようです。
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