2017年10月19日 (木)

次回更新

ASA参加のため次回更新は10/26の予定です。

Sepsis-3の定義が敗血症性ショックの診断に及ぼす影響

Sterling SA, Puskarich MA, Glass AF, Guirgis F, Jones AE: The Impact of the Sepsis-3 Septic Shock Definition on Previously Defined Septic Shock Patients. Crit Care Med 2017; 45: 1436-1442

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、1991年のseptic shockに関する旧定義と昨年発表された新定義の比較を試みた研究です。特に旧定義に該当するが、新定義に該当しない症例群の予後に注目した解析が行われています。2009年のCrit Careと2010年のJAMAに発表された2つのRCTの患者を対象とし、新定義に該当する200症例と旧定義に該当するが、新定義に該当しない270症例で比較しています。この2群の相違の多くは血行動態異常が認められるものの血中乳酸値が正常であった症例となっています。結果として旧定義に該当するが、新定義に該当しない症例でも死亡率が14.4%と高医ことが示されています。新定義のみで治療を行った場合、これらの症例が適切な治療を受けられない可能性があると考察されています。

2017年10月17日 (火)

開腹手術における外科医による深い筋弛緩管理の評価

Madsen MV, Scheppan S, Mork E, Kissmeyer P, Rosenberg J, Gatke MR: Influence of deep neuromuscular block on the surgeons assessment of surgical conditions during laparotomy: a randomized controlled double blinded trial with rocuronium and sugammadex. Br J Anaesth 2017; 119: 435-442

デンマークで行われたRCTで、上腹部開腹手術における深い筋弛緩が外科医による術野の評価を改善するかどうかを検討した報告です。介入群ではPTC 0または1となるようにrocuroniumの持続投与が行われる一方、対照群では必要に応じたrocuroniumの追加投与が行われています。外科医による評価はextremely poorからoptimalの5段階評価が行われています。結果として介入群、対照群のpointはそれぞれ4.7、4.0で有意差を持って介入群で良好な術野が得られています。またgood, optimalの割合が介入群では有意に多く、こちらの結果の方が臨床的意義が大きいと考察されています。

2017年10月16日 (月)

低用量sugammadexによるvecuronium投与後の浅い筋弛緩状態からの回復

Asztalos L, Szabo-Maak Z, Gajdos A, Nemes R, Pongracz A, Lengyel S, Fulesdi B, Tassonyi E: Reversal of Vecuronium-induced Neuromuscular Blockade with Low-dose Sugammadex at Train-of-four Count of Four: A Randomized Controlled Trial. Anesthesiology 2017; 127: 441-449

ハンガリーの研究者が行ったRCTで、65症例を対象としてsevoflurane麻酔下でvecuronium投与後、TOFC 4まで回復した時点での拮抗に関してsugammadex 0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、neostigmine 50µg/kgおよびplaceboを比較した研究です。結果としてsugammadex 0.5mg/kgおよびneostigmineでは5分以内に十分な回復が得られない症例が存在する事が示されており、vecuronium投与後の浅い筋弛緩状態からの回復に関しても1mg/kg以上が必要であることが示されています。また抜管後も筋弛緩評価が行われており、recurarizationがsugammadex 1mg/kg群、2mg/kg群でも発生していることが示されています。

2017年10月13日 (金)

人工呼吸患者に対するsimvastatin早期投与によるせん妄予防

Page VJ, Casarin A, Ely EW, Zhao XB, McDowell C, Murphy L, McAuley DF: Evaluation of early administration of simvastatin in the prevention and treatment of delirium in critically ill patients undergoing mechanical ventilation (MoDUS): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet Respir Med 2017; 5: 727-737

英国で行われた単一施設RCTで、72時間以上人工呼吸を受けた患者142症例を対象として、simvastatin投与がせん妄の発生に及ぼす影響を検討しています。simvastatinは脂溶性が高く、良好なBBBの通過性が期待できるということで選択されたようです。主要評価項目として用いられた14日までのdelirium-free, coma-free daysはsimvastatin群、対照群いずれも5.5日程度で統計学的有意差が認められませんでした。2次評価項目のICU在室期間、在院期間、死亡率にも有意差はありませんでした。結果としてsimvastatin投与はせん妄の期間を短縮しなかったと結論されています。

2017年10月12日 (木)

幼児重症患者におけるせん妄とベンゾジアゼピン使用はICU入室期間を延長させる

Smith HAB, Gangopadhyay M, Goben CM, Jacobowski NL, Chestnut MH, Thompson JL, Chandrasekhar R, Williams SR, Griffith K, Ely EW, Fuchs DC, Pandharipande PP: Delirium and Benzodiazepines Associated With Prolonged ICU Stay in Critically Ill Infants and Young Children. Crit Care Med 2017; 45: 1427-1435

米国で行われたobservational studyの2次解析で、preschool CAM-ICUを用いて小児におけるせん妄とbenzodiazepine投与の関連を検討しています。mainの解析結果は2016年にCrit Care Medに掲載されています。6ヶ月から6歳までの小児患者約300症例を対象として検討した結果、せん妄の発生率は44%で、低年齢、benzodiazepine投与、原病態の重症度がせん妄の発生と関連していることが示されています。一方でdexmedetomidine投与がせん妄発生低下と関連していることも示されています。

2017年10月10日 (火)

NIRSを用いた心臓外科手術中の脳組織酸素飽和度維持

Rogers CA, Stoica S, Ellis L, Stokes EA, Wordsworth S, Dabner L, Clayton G, Downes R, Nicholson E, Bennett S, Angelini GD, Reeves BC, Murphy GJ: Randomized trial of near-infrared spectroscopy for personalized optimization of cerebral tissue oxygenation during cardiac surgery. Br J Anaesth 2017; 119: 384-393

英国で行われた多施設RCTで、開心術患者約100症例を対象としてprotocolに基づいた人工心肺中のrSO2管理が術後の認知機能に及ぼす影響を検討しています。介入群ではHct 18%を閾値とする制限的輸血戦略およびrSO2絶対値>50%以上または入室時rSO2の70%以上維持を目標とした管理が行われています。主要評価項目である3ヶ月後の認知機能についてはexecutive/verbal functionに関してのみprotocol化されたrSO2管理の優位性が示されましたが、その他の指標には差がなく、protocol化されたrSO2管理は認知機能改善には寄与しなかったと結論されています。

2017年10月 6日 (金)

重症心不全患者における利尿性peptideをガイドとした治療が予後に及ぼす影響

Felker GM, Anstrom KJ, Adams KF, Ezekowitz JA, Fiuzat M, Houston-Miller N, Januzzi JL, Jr., Mark DB, Pina IL, Passmore G, Whellan DJ, Yang H, Cooper LS, Leifer ES, Desvigne-Nickens P, O'Connor CM: Effect of Natriuretic Peptide-Guided Therapy on Hospitalization or Cardiovascular Mortality in High-Risk Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction: A Randomized Clinical Trial. Jama 2017; 318: 713-720

北米で行われた多施設RCTで、EF<40%で心不全による入院歴を有する重症心不全患者を対象としてNT-proBNPをガイドとした治療の有用性を検討した報告です。NT-proBNPガイド群ではNT-proBNPの低下を指標としてbeta遮断薬、ARBおよびaldosterone受容体拮抗薬を積極的に使用するprotocolが用いられており、主要評価項目として入院を必要とする心不全発症および死亡率が用いられています。約900症例での中間解析でNT-proBNPガイド群と通常治療群に有意差が認められず、研究が中断されています。差が認められなかった理由として通常治療群でもNT-proBNPガイド群とほぼ同様の治療が行われ、NT-proBNPの推移に差がなかった点が挙げられています。

2017年10月 5日 (木)

ARDS患者におけるHFOVが酸素化に及ぼす影響

Meade MO, Young D, Hanna S, Zhou Q, Bachman TE, Bollen C, Slutsky AS, Lamb SE, Adhikari NKJ, Mentzelopoulos SD, Cook DJ, Sud S, Brower RG, Thompson BT, Shah S, Stenzler A, Guyatt G, Ferguson ND: Severity of Hypoxemia and Effect of High-Frequency Oscillatory Ventilation in Acute Respiratory Distress Syndrome. Am J Respir Crit Care Med 2017; 196: 727-733

カナダの研究者が行ったretrospective studyで、ARDS患者におけるHFOVの効果を検討した4つのRCTのindividual dataを用いて同じ仮説を再検討しています。特に導入前のP/F比、推定complianceおよびBMIと30日までの生存率に関連に注目して解析が行われています。約1550症例が対象となり、HFOV導入前のP/F比が低い症例では生存率を改善する効果があるのに対して、P/F比が高い症例では生存率を悪化させることが示されています。P/F比の閾値としては100mmHg前後ですが、考察では64mmHgが妥当ではないかと述べられています。

2017年10月 3日 (火)

TIMP-2とIGFBP-7の組み合わせによる心臓外科手術術後のAKI診断

Finge T, Bertran S, Roger C, Candela D, Pereira B, Scott C, Muller L, Louart B, Lefrant JY: Interest of Urinary [TIMP-2] x [IGFBP-7] for Predicting the Occurrence of Acute Kidney Injury After Cardiac Surgery: A Gray Zone Approach. Anesth Analg 2017; 125: 762-769

フランスの研究者が行ったobservational studyで、心臓外科手術患者93症例を対象として、新しいAKIのbiomarkerである尿中 [TIMP-2] x [IGFBP-7]による術後AKIの診断精度を検証した報告です。尿中 [TIMP-2] x [IGFBP-7]はbedsideで測定できるkitが実用化されているようです。対象患者でKDIGO grade 1以上のAKIが37%に発生し、術後3時間以内に測定した尿中 [TIMP-2] x [IGFBP-7]のAUCは0.73とmoderateでしたが、gray zoneが広いことが示されています。結論では尿中 [TIMP-2] x [IGFBP-7]によるAKI予測精度は低かったと述べられています。

2017年10月 2日 (月)

人工股関節置換術におけるトラネキサム酸追加持続投与は単回投与のみと差がない

Zufferey PJ, Lanoiselee J, Chapelle C, Borisov DB, Bien JY, Lambert P, Philippot R, Molliex S, Delavenne X: Intravenous Tranexamic Acid Bolus plus Infusion Is Not More Effective than a Single Bolus in Primary Hip Arthroplasty: A Randomized Controlled Trial. Anesthesiology 2017; 127: 413-422

フランスの研究者が行ったRCTで、人工股関節置換患者167症例を対象として、トラネキサム酸のbolus投与とbolus+infusion投与で術後出血量に差があるかどうかを検証しています。同時にmeta解析も行っています。RCTではbolus群とbolus+infusion群で出血量には差がなく、meta解析でも有意差は認められませんでした。輸血が行われたのも両群併せて3例であり、トラネキサム酸投与は有用だが、infusionを追加する必要はないと考察されています。

2017年9月29日 (金)

大腸がん手術患者における輸血が術後敗血症、長期生存率に及ぼす影響

Aquina CT, Blumberg N, Becerra AZ, Boscoe FP, Schymura MJ, Noyes K, Monson JRT, Fleming FJ: Association Among Blood Transfusion, Sepsis, and Decreased Long-term Survival After Colon Cancer Resection. Ann Surg 2017; 266: 311-317

米国New York州のdatabaseを用いたretrospective studyで、大腸がん手術患者約2万6千症例を対象として、周術期の輸血と術後敗血症および長期予後の関連を検討しています。対象症例のうち、周術期輸血が29%の症例で行われ、4%で敗血症が発生しています。死亡リスクに関しては非輸血症例、敗血症のない輸血症例、輸血が施行されていない敗血症症例、輸血が施行され敗血症を生じた症例の順に増加することが示されており、輸血が術後敗血症、悪性腫瘍再発と関連があると結論されています。

2017年9月28日 (木)

高齢心臓外科手術患者における術前認知機能と術後せん妄は術後認知機能低下の独立したリスク因子である

Lingehall HC, Smulter NS, Lindahl E, Lindkvist M, Engstrom KG, Gustafson YG, Olofsson B: Preoperative Cognitive Performance and Postoperative Delirium Are Independently Associated With Future Dementia in Older People Who Have Undergone Cardiac Surgery: A Longitudinal Cohort Study. Crit Care Med 2017; 45: 1295-1303

スウェーデンの研究者がまとめたprospective studyで、70歳以上の心臓外科手術患者114症例を対象として術前認知機能および術後せん妄と術後の認知機能低下の関連を検討しています。術後の観察期間が5年と長い点が特徴となっています。術後せん妄および術後認知機能低下の発生率はそれぞれ56.1%、26.2%で、認知機能低下を生じた症例の87%で術後せん妄が認められています。多変量解析では年齢、術前認知機能低下および術後せん妄発生が術後認知機能低下の独立したリスク因子であることが示されています。

2017年9月25日 (月)

高齢患者における術後せん妄とBDNFの濃度変化の関連

Wyrobek J, LaFlam A, Max L, Tian J, Neufeld KJ, Kebaish KM, Walston JD, Hogue CW, Riley LH, Everett AD, Brown CHt: Association of intraoperative changes in brain-derived neurotrophic factor and postoperative delirium in older adults. Br J Anaesth 2017; 119: 324-332

米国の研究者が行ったprospective studyの2次解析で、脊椎手術を受ける70歳以上の患者77症例を対象として術後せん妄の発生と血中BDNF濃度の関連を検討しています。BDNFは中枢神経の栄養因子であり、神経伝達および可塑性に関連があるとされており、頭部外傷患者ではBDNF濃度低下が認知機能低下と関連があるとされています。術後せん妄は対象症例の42%で発生し、血中BDNF濃度低下が術後せん妄の発生の独立したリスク因子であることが示されています。

死亡あるいは脳障害に関連のある状況把握に関するエラーの解析

Schulz CM, Burden A, Posner KL, Mincer SL, Steadman R, Wagner KJ, Domino KB: Frequency and Type of Situational Awareness Errors Contributing to Death and Brain Damage: A Closed Claims Analysis. Anesthesiology 2017; 127: 326-337

医療事故の背景に状況把握(situation awareness, SA)のエラーがあると考えられており、これはさらにperception, comprehension, projectionに分けて考えられているようです。本研究は2002年から2014年の間にSAエラーが背景にあり米国で死亡あるいは重篤な脳障害で訴訟となった198件を対象として解析しています。対象症例のうちperceptionの問題で事故が発生した事例が42%と最大で、その他はそれぞれ29%でした。perceptionエラーによる事故としては呼吸停止、低酸素血症が60%を占めていると記載されています。一方、comprehensionエラーとしては危機的出血が多かったと記載されています。

2017年9月22日 (金)

大腸がん手術患者における早期離床の効果

Fiore JF, Jr., Castelino T, Pecorelli N, Niculiseanu P, Balvardi S, Hershorn O, Liberman S, Charlebois P, Stein B, Carli F, Mayo NE, Feldman LS: Ensuring Early Mobilization Within an Enhanced Recovery Program for Colorectal Surgery: A Randomized Controlled Trial. Ann Surg 2017; 266: 223-231

カナダの研究者が行ったRCTで、術後回復力強化プログラムを適応して大腸・直腸手術を受ける患者100症例を対象として、積極的に離床を励行することによって4週間後の6分間歩行距離が術前まで回復する割合が増加する、という仮設を検討しています。積極的離床群では術後2時間以内に椅子着席、術後1日目以降、6時間以上の離床を目標としています。結果として積極的離床群では手術当日から2PODまでの離床は対照群より有意に増加していますが、4週間後の6分間歩行距離および合併症発生率には有意差は認められませんでした。考察ではERPが適応されている条件下では、さらに離床を励行することは意義がないと述べられています。

2017年9月21日 (木)

意識障害および誤嚥のために呼吸管理を受けている患者に対する抗菌薬治療の必要性

Lascarrou JB, Lissonde F, Le Thuaut A, Bachoumas K, Colin G, Henry Lagarrigue M, Vinatier I, Fiancette M, Lacherade JC, Yehia A, Joret A, Lebert C, Bourdon S, Martin Lefevre L, Reignier J: Antibiotic Therapy in Comatose Mechanically Ventilated Patients Following Aspiration: Differentiating Pneumonia From Pneumonitis. Crit Care Med 2017; 45: 1268-1275

フランスの研究者がまとめたobservational studyで、意識障害、誤嚥で人工呼吸を必要としている症例における抗菌薬治療の必要性を検討しています。対象患者250症例のうち、細菌性肺炎(BAT)が疑われてempiricな抗菌薬治療が行われた98症例を対象としています。このうち92症例で気管支鏡を用いた下気道からのサンプルから細菌が検出されBATと診断された症例が47%、これ以外の症例では細菌が検出されず、原則として抗菌薬投与が中止されています。抗菌薬投与中止による予後の悪化、BATの再燃は認められなかったと報告されています。また、生化学検査、サンプルのgram染色による診断精度は低いことが示されています。誤嚥を疑う症例でも下気道から細菌が検出されなければ抗菌薬治療を中止してもかまわない、という点が結論と思われます。

2017年9月19日 (火)

高齢手術患者における術後せん妄は術後認知機能低下と関連がある

Sprung J, Roberts RO, Weingarten TN, Nunes Cavalcante A, Knopman DS, Petersen RC, Hanson AC, Schroeder DR, Warner DO: Postoperative delirium in elderly patients is associated with subsequent cognitive impairment. Br J Anaesth 2017; 119: 316-323

米国Mayo clinicのdatabaseを用いて行ったretrospective studyで、術前軽度認知機能低下(MCI)、術後せん妄(POD)と術後認知機能低下の関連を検討しています。databaseの対象患者は当初70歳以上でしたが、2012年以降は50歳以上となっています。databaseの患者のうちMayo Clinicで手術を受けた約2000症例を対象として検討した結果、術前MCIまたは認知症と診断された症例は17%、PODの発生率は3.7%でした。術前MCIまたは認知症と診断された症例ではPODの発生リスクが有意に上昇しています。また術前MCIまたは認知症と診断されていない症例でPODを生じた症例では術後認知機能低下と診断されるリスクが有意に上昇していることも示されています。

2017年9月15日 (金)

高齢手術患者における術中dexmedetomidine投与による術後せん妄および認知機能低下防止作用

Deiner S, Luo X, Lin HM, Sessler DI, Saager L, Sieber FE, Lee HB, Sano M, Jankowski C, Bergese SD, Candiotti K, Flaherty JH, Arora H, Shander A, Rock P: Intraoperative Infusion of Dexmedetomidine for Prevention of Postoperative Delirium and Cognitive Dysfunction in Elderly Patients Undergoing Major Elective Noncardiac Surgery: A Randomized Clinical Trial. JAMA Surg 2017; 152: e171505

米国の10施設で行われたRCTで、70歳以上の非心臓手術患者約400症例を対象として、術中dexmedetomidine 0.5µg/kg/hr持続投与が術後せん妄および術後認知機能低下に及ぼす影響を検討しています。術後せん妄の発生頻度は12%でdexmedetomidineによる予防効果は認められませんでした。術後せん妄のリスク因子としては教育程度、術前の軽度認知機能低下、整形外科または泌尿器科手術、手術時間4時間以上および回復室でのせん妄が抽出されています。3ヶ月後および6ヶ月後の認知機能にも群間差は認められませんでした。

2017年9月14日 (木)

敗血症の後に2次的感染症を生じた患者における炎症反応の特徴

van Vught LA, Wiewel MA, Hoogendijk AJ, Frencken JF, Scicluna BP, Klouwenberg P, Zwinderman AH, Lutter R, Horn J, Schultz MJ, Bonten MMJ, Cremer OL, van der Poll T: The Host Response in Patients with Sepsis Developing Intensive Care Unit-acquired Secondary Infections. Am J Respir Crit Care Med 2017; 196: 458-470

2016年にJAMAに掲載されたMARS studyの2次解析で、敗血症で治療を受けた患者のうちICU感染症を合併した症例における入室から4日目までの炎症反応を解析した報告です。対象患者のうち14.5%の症例でICU感染症の合併が認められ、カテーテル感染症、肺炎がその大部分を占めています。2次感染を生じた症例では入室から4日目までの炎症性サイトカイン、血管内皮細胞活性化、凝固系活性化が有意に亢進していることが示されており、免疫抑制と制御不能な炎症反応が併存していることが示されています。

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近況報告

  • 日本麻酔科学会@神戸
    1日目の共催セミナーおよび2日目の輸液のシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
  • J Intensive Care
    本年もreviewer of the yearに選んでいただきました。
  • 2017年
    10年目になりました。引き続きよろしくお願いします。
  • 臨床麻酔学会@高知
    臨床麻酔学会でのシンポジウムおよび教育講演に多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 著書出版
    稲田英一先生監修の新麻酔科研修の素朴な疑問に答えます、という書籍が出版されました。管理人は輸液に関する項目を分担執筆しています。
  • 著書刊行
    稲田英一先生の監修による麻酔科クリニカルクエスチョン101という書籍が刊行されました(診断と治療社)。管理人は輸液の指標、尿量減少時の鑑別診断という項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会
    金曜日朝のリフレッシャーコースおよび土曜日のランチョンセミナーに多数ご参加いただきありがとうございます。
  • Journal of Intensive Care
    本年もJournal of intensive careのreviewer of the yearに選んで頂きました。
  • 第31回体液・代謝管理研究会
    体液・代謝管理研究会が無事終了いたしました。ご参加頂いた先生方、ありがとうございました。
  • 2016年
    9年目になりました。本年も宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会教育講演
    10/21(水)9:30amから第4会場での教育講演「侵襲と血液凝固反応」にご来場いただいた先生方、ありがとうございました。
  • 心臓血管麻酔学会ランチョンセミナー
    心臓血管麻酔学会最終日のランチョンセミナーに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから循環器急性期診療という書籍が刊行されます。管理人は心拍出量モニタの項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会共催セミナー
    日本麻酔科学会2日目の共催セミナー「人工呼吸中のグラフィックモニタと肺胞リクルートメント手技」に多数ご来場頂きありがとうございました。
  • 著書刊行
    中山書店から刊行された周術期の薬物使用法という書籍で乳酸リンゲル液とHES製剤の稿を分担執筆しました。
  • 著書出版
    管理人が体液・代謝管理の項目を執筆した麻酔科学文献レビュー2015-2016という書籍が学研メディカル秀潤社から発売になりました。
  • 集中治療専門医テキスト第2版
    上記がCD-ROMとして発売になりました。管理人は循環モニタリングの項を執筆しました。
  • reviewers of the year
    Journal of Intensive Careの2014年reviewer of the yearに入れていただきました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 29, issue 1に右室拡張末期容量と輸液反応性に関する共著論文が掲載されました。
  • 2015年
    8年目になりました。引き続き宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で11/2午前中の筋弛緩に関するシンポジウムと11/3午前中の循環管理に関するシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 28, issue 3に非侵襲的hemoglobin測定装置に関する共著論文が掲載されました。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから発行された症例で学ぶ周術期の輸液管理という書籍(松永明先生編集)で症例検討1: 結腸癌手術という章を執筆させて頂きました。
  • 日本麻酔科学会@横浜
    日本麻酔科学会学術集会でのリフレッシャーコース、ランチョンセミナーにご来場頂いた読者の皆様、ありがとうございます。
  • 著書刊行
    吸入麻酔薬の肝毒性と腎毒性に関する章を執筆した吸入麻酔(克誠堂出版、山陰先生、平田先生編)という書籍が5月に刊行されました。
  • 論文掲載
    Journal of Anesthesiaのvolume 2にgoal-directed fluid managementに関するobservational studyの結果が掲載されました。
  • 集中治療医学会共催セミナー
    2/28(金)の非観血的血圧測定に関するランチョンセミナーに多数ご参加いただき、ありがとうございました。
  • 論文掲載
    麻酔の2014年2月号にHES 130/0.4(ボルベン)の総説が掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会@名古屋
    1/25開催の体液代謝管理研究会に多数のご参加を頂きました。ありがとうございます。 2016年の体液代謝管理研究会の開催を仰せつかりました。宜しくお願いいたします。
  • 2014年
    7年目になりました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で、大量出血時の膠質液の適正使用と高リスク患者の輸液管理について発表させていただきました。ご来場頂いた先生方ありがとうございます。
  • 論文掲載
    Anesthesia and Analgesiaの8月号に東邦大学大森病院、日本大学、東京女子医大、慶應大学の先生方と協同で行ったsugammadexの論文が掲載されました。
  • 日本麻酔科学会会長企画
    5/25(土)の11:00amから行われるInternational sessionでCurrent condition of neuromuscular block management in Japan.というtitleで発表させて頂きました。多数のご来場ありがとうございました。
  • 体液代謝管理研究会symposium
    1/26に上記研究会シンポジウムで「動的指標に基づいた輸液管理」に関して発表させて頂きました。ご参加頂いた先生方ありがとうございます。
  • 6年目になりました
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