2024年4月19日 (金)

頭部外傷患者における頭部以外の外傷に対する手術と機能的予後の関連

Roberts CJ, Barber J, Temkin NR, Dong A, Robertson CS, Valadka AB, Yue JK, Markowitz AJ, Manley GT, Nelson LD, Badjatia N, Diaz-Arrastia R, Duhaime AC, Feeser VR, Gopinath S, Grandhi R, Jha R, Keene CD, Madden C, McCrea M, Merchant R, Ngwenya LB, Rodgers RB, Schnyer D, Taylor SR, Zafonte R. Clinical Outcomes After Traumatic Brain Injury and Exposure to Extracranial Surgery: A TRACK-TBI Study. JAMA surgery 2024;159:248-59.

米国で行われたprospective studyの2次解析で、頭部外傷単独の症例と頭部と非頭部外傷が併存し、非頭部外傷に対する手術が行われた症例で6ヶ月後の機能的予後および認知機能を比較した報告です。頭部外傷単独の約1300症例と非頭部外傷に対する手術が行われた約500症例を比較した結果、手術施行群で6ヶ月後の機能的予後および認知機能が有意に低い事が示されています。考察では手術侵襲、麻酔薬および周術期の血行動態変動が関与していると考察されています。


 

2024年4月18日 (木)

重症患者における人工呼吸離脱に関するタンパク投与量の意義

Hartl WH, Kopper P, Xu L, Heller L, Mironov M, Wang R, Day AG, Elke G, Küchenhoff H, Bender A. Relevance of Protein Intake for Weaning in the Mechanically Ventilated Critically Ill: Analysis of a Large International Database. Critical care medicine 2024;52:e121-e31.

カナダの研究者が行ったretrospective studyで、人工呼吸中の患者におけるタンパク投与量と予後の関連を既存のdatabaseを用いて解析した報告です。治療開始から11日までの一日あたりタンパク投与量を0.8g/kg/day未満、0.8~1.2g/kg/day、1.2g/kg/dayに分け、と60日までの死亡、人工呼吸離脱との関連を解析しています。約1万3千症例を対象として解析した結果、タンパク投与量と人工呼吸離脱までの期間には関連が認められませんでしたが、0.8g/kg/day未満群と比較して0.8-1.2g/kg/day群で予後改善との関係が認められています。一方、高タンパク投与群では予後が不良となる傾向が認められています。

2024年4月16日 (火)

帝王切開妊婦におけるcompensatory reserve indexによる分娩時出血の予測

Reppucci ML, Rogerson JS, Pickett K, Kierstead S, Nolan MM, Moulton SL, Wood CL: Detection of Postpartum Hemorrhage Using Compensatory Reserve Index in Patients Undergoing Cesarean Delivery. Anesth Analg 2024; 138: 562-571

Compensatory reserve index(CRI)はNonin社のパルスオキシメーターの脈波信号から算出される0から1までの指標で出血に対して生じる代償反応に応じて低下し、CRI 0となった時点で代償不全状態となるようです。米国の研究者が行ったprospective studyで、帝王切開妊婦でCRI対応パルスオキシメーターを装着し、分娩時出欠の有無でCRIの差を検討しています。対象となった51例のうち、13例が分娩時出血あり、38例がなしに分類され、分娩時出血群ではCRIが有意に低値であることが示されています。子癇前症の有無でsubgroup解析が行われており、何れの群でも同様の結果が得られています。

 

2024年4月15日 (月)

非心臓非開胸手術患者における術中mechanical powerと術後肺合併症の関連

Elefterion B, Cirenei C, Kipnis E, Cailliau E, Bruandet A, Tavernier B, Lamer A, Lebuffe G. Intraoperative Mechanical Power and Postoperative Pulmonary Complications in Noncardiothoracic Elective Surgery Patients: A 10-Year Retrospective Cohort Study. Anesthesiology 2024;140:399-408.

フランスの研究者がまとめたretrospective studyで、術後呼吸器合併症(PPC)のリスク因子を検討した報告です。2010年から2019年までの約33,000症例を対象として解析した結果、PPCは約2000症例、6%で発生している事が明らかになっています。結果として低一回換気量、動的コンプライアンス低下、mechanical power高値がリスク因子として抽出されています。この他、SpO2低値、EtCO2低下もリスク因子であることが示されています。低一回換気量とPPCに関連があるという結果はcounterintuitiveですが、低一回換気量、SpO2低値、EtCO2低下などは肺病変のsurrogateではないか、と考察されています。



 

2024年4月12日 (金)

非心臓手術患者における術後の精神的ストレス

Gandotra S, Daza JF, Diep C, Mitani AA, Ladha KS, Wijeysundera DN. Psychological Distress After Inpatient Noncardiac Surgery: A Secondary Analysis of the Measurement of Exercise Tolerance Before Surgery Prospective Cohort Study. Annals of surgery 2024;279:450-5.

2018年にLancetに掲載されたMETS studyの2次解析で、術前、術後30日、術後1年の精神的ストレスの推移を検討した報告です。40歳以上の非心臓手術患者約1500症例を対象として、不安とうつ状態の評価が可能なEQ-5D-3L質問票で評価しています。術前には30%の症例で不安とうつ状態が認められていますが、全体としては経時的に減少する事が示されています。一方、20%の症例では不安、うつ状態の悪化が認められ、男性、若年、喫煙との関連が認められています。

 

2024年4月11日 (木)

敗血症患者における活性レニン濃度と死亡率の関連

Busse LW, Schaich CL, Chappell MC, McCurdy MT, Staples EM, Ten Lohuis CC, Hinson JS, Sevransky JE, Rothman RE, Wright DW, Martin GS, Khanna AK. Association of Active Renin Content With Mortality in Critically Ill Patients: A Post hoc Analysis of the Vitamin C, Thiamine, and Steroids in Sepsis (VICTAS) Trial. Critical care medicine 2024;52:441-51.

2021年にJAMAに掲載されたVICTAS trialの2次解析で、血中reninおよびRAS系の上昇と予後の関係を検討しています。発症日および第3病日の血漿、血清が保存されていた約100症例を対象として解析した結果、発症時の血中renin活性高値および発症後のrenin活性増加は量依存性に死亡の独立したリスク因子であることが明らかになりました。一方、RAS系においてreninよりも下流のアンギオテンシン濃度と予後の関係は一定した県警が示されませんでした。VICTAS trialの介入であるvitamin C、thiamin投与はrenin活性高値の症例では予後を改善する可能性が示されています。

 

2024年4月 8日 (月)

麻酔担当者の交代に由来する合併症を予防する方策の効果

Saha AK, Segal SA-O: A Quality Improvement Initiative to Reduce Adverse Effects of Transitions of Anesthesia Care on Postoperative Outcomes: A Retrospective Cohort Study. 

米国のWake Forest大学からの報告で、provider handover、すなわち麻酔中の担当者交代が予後に及ぼす影響をbefore-after studyとして検討した報告です。該当施設では2019年に電子カルテにhandoverに関する情報を記載する試みを導入しています。対象は2016年から2021年の間の手術時間1時間以上の非心臓手術約12万症例で、30日死亡率および術後合併症発生をアウトカムとして解析した結果、該当施設ではhandoverが40%の症例で発生しており、handover群ではアウトカム発生リスクが1.08倍増加することが示されています。電子カルテへのhandover記録導入後にリスクが減少することが示されており、電子カルテへのhandover記録導入の有用性を示唆した結果となっています。



 

2024年4月 5日 (金)

目標指向型アルブミン投与が術後合併症に及ぼす影響

Schaller SJ, Fuest K, Ulm B, Schmid S, Bubb CAB, Eckstein HH, von Eisenhart-Rothe R, Friess H, Kirchhoff C, Luppa P, Blobner M, Jungwirth B. Goal-directed Perioperative Albumin Substitution Versus Standard of Care to Reduce Postoperative Complications: A Randomized Clinical Trial (SuperAdd Trial). Annals of surgery 2024;279:402-9.

 

2024年4月 4日 (木)

ARDS患者におけるメタボリックシンドロームと死亡率の関連

Tea K, Zu Y, Chung CH, Pagliaro J, Espinoza-Barrera D, Mehta P, Grewal H, Douglas IS, Khan YA, Shaffer JG, Denson JL. The Relationship Between Metabolic Syndrome and Mortality Among Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome in Acute Respiratory Distress Syndrome Network and Prevention and Early Treatment of Acute Lung Injury Network Trials. Critical care medicine 2024;52:407-19.

米国ARDS netのdatabaseを用いたretrospective studyで、ARDS患者におけるメタボリックシンドロームと28日死亡率の関連を検討した報告です。メタボリックシンドロームは肥満、糖尿病または高血圧で診断されています。約4300症例が解析対象となり、10.6%の症例がメタボリックシンドロームに該当しています。背景調整後の死亡リスクはメタボリックシンドローム群で有意に低い事が示されています。特に敗血症、肺炎由来のARDS患者で強い関連が認められています。





 

2024年4月 2日 (火)

エビデンスに基づいた筋弛緩モニタリング実施と術後合併症の関連

Carr SG, Clifton JC, Freundlich RE, Fowler LC, Sherwood ER, McEvoy MD, Robertson A, Dunworth BA, McCarthy KY, Shotwell MS, Kertai MD. Improving Neuromuscular Monitoring Through Education-Based Interventions and Studying Its Association With Adverse Postoperative Outcomes: A Retrospective Observational Study. Anesthesia and analgesia 2024;138:517-29.

米国のVanderbilt大学で行った筋弛緩モニタに関する啓発活動が筋弛緩モニタ装着率、術後肺合併症、術後90日死亡率に及ぼす影響を検討した報告です。今回の啓発活動の特徴としてQuizTimeという質問形式の課題を提供することで継続的に知識のupdateを行う点が挙げられています。2021年から2022年にかけて約1万9千症例を対象として解析した結果、啓発活動開始前、開始後での筋弛緩モニタ装着率が、48%から85%まで向上していることが示されています。筋弛緩モニタ装着によるsugammadexの投与量変化は認められませんでしたが、術後肺合併症、90日死亡リスクの有意な低下が認められています。

 

2024年4月 1日 (月)

大腿骨頸部骨折患者における麻酔方法と長期予後の関連

Vail EA, Feng R, Sieber F, Carson JL, Ellenberg SS, Magaziner J, Dillane D, Marcantonio ER, Sessler DI, Ayad S, Stone T, Papp S, Donegan D, Mehta S, Schwenk ES, Marshall M, Jaffe JD, Luke C, Sharma B, Azim S, Hymes R, Chin KJ, Sheppard R, Perlman B, Sappenfield J, Hauck E, Tierney A, Horan AD, Neuman MD. Long-term Outcomes with Spinal versus General Anesthesia for Hip Fracture Surgery: A Randomized Trial. Anesthesiology 2024;140:375-86.

2021年にN Engl J Medに掲載されたREGAIN trialの2次解析で1年後の死亡、自立性および療養施設入所に注目して全身麻酔と脊髄くも膜下ブロックを比較しています。約1400症例のデータを解析した結果、両群の死亡率、自立性、療養施設入所に有意差は認められませんでした。

 

2024年3月29日 (金)

心血管系イベント既往のある症例における術後死亡リスクの解析

Chalitsios CV, Luney MS, Lindsay WA, Sanders RD, McKeever TM, Moppett I. Risk of Mortality Following Surgery in Patients With a Previous Cardiovascular Event. JAMA surgery 2024;159:140-9.

英国のdatabaseを用いたretrospective studyで、非心臓、非脳外科手術患者における術前心筋虚血、脳虚血発症から手術までの期間と術後死亡リスクの関連を調査した報告です。2007年から2018年の約2100万症例が対象であり、4.1%の症例で術前心筋虚血、脳虚血の既往が認められています。既往を有さない症例での30日死亡率は1%前後ですが、既往を有する症例では約4%と有意に高値であることが示されています。待機的手術,緊急手術では発症からそれぞれ13ヶ月、7ヶ月ででリスク差が消失しすることも示されています。

 

2024年3月28日 (木)

末梢静脈ラインからのnorepinephrine投与に関する観察研究

Yerke JR, Mireles-Cabodevila E, Chen AY, Bass SN, Reddy AJ, Bauer SR, Kokoczka L, Dugar S, Moghekar A. Peripheral Administration of Norepinephrine: A Prospective Observational Study. Chest 2024;165:348-55.

米国で行われたprospective studyで、末梢静脈からのnorepinephrine投与による合併症の頻度を解析した報告です。合併症としては血管外漏出および組織損傷に注目して研究が行われています。当初はnorepinephrineの投与量15µg/min未満、投与期間48時間未満と制限が設けられていましたが、研究の経過で合併症が少ないことが明らかになり、これらの制限は撤廃されたと記載されています。対象となった約600症例のうち合併症が発生したのは5.5%であり、いずれも外科的な治療を必要とした重篤な合併症は認められなかったと記載されています。

 

2024年3月25日 (月)

日帰り人工股関節置換術におけるオピオイドfree麻酔管理とオピオイド制限的麻酔管理の比較

Chassery C, Atthar V, Marty P, Vuillaume C, Casalprim J, Basset B, De Lussy A, Naudin C, Joshi GP, Rontes O: Opioid-free versus opioid-sparing anaesthesia in ambulatory total hip arthroplasty: a randomised controlled trial. Br J Anaesth 2024; 132: 352-358

フランスで行われたRCTで日帰り股関節置換術を受ける患者を対象としてオピオイドfree麻酔管理(OFA)とオピオイド制限的麻酔管理(OSA) を比較した報告です。OSAでは導入時にdexmedetomidineの持続投与、OSAではsufentanilが投与されており、その後は担当医の判断でsufentanilが追加投与されるprotocolが用いられています。評価項目としては総opioid投与量、術後VAS、術後リハビリの達成度などが用いられています。80症例をランダム化して比較した結果、周術期に投与された総opioid投与量には有意差を認めませんでした。術中血圧以外の評価項目に関しても有意差が認められず、OFAの利点は示されない結果となっています。

 

2024年3月22日 (金)

高齢手術患者における術前midazolam投与が予後に及ぼす影響

Kowark A, Keszei AP, Schneider G, Pilge S, Schneider F, Obert DP, Georgii MT, Heim M, Rossaint R, Ziemann S, van Waesberghe J, Czaplik M, Pühringer FK, Minarski C, May V, Malisi T, Drexler B, Ring CM, Engler P, Tilly R, Bischoff P, Frey U, Wittmann M, Soehle M, Saller T, Kienbaum P, Kretzschmar M, Coburn M. Preoperative Midazolam and Patient-Centered Outcomes of Older Patients: The I-PROMOTE Randomized Clinical Trial. JAMA surgery 2024;159:129-38.

ドイツで行われた多施設RCTで、65歳から80歳までの高齢非心臓非脳外科手術患者を対象としてmidazolam 3.75mgの経口前投薬が術後1日および30日の患者による主観的な回復度をplaceboと比較した報告です。9施設約600症例をランダム化して比較した結果、患者による主観的な回復指標には有意差を認めませんでした。副次評価項目である術後せん妄についても有意差は認められませんでした。入室時の血圧についてはmidazolam投与群で有意に低い事が示されています。

 

2024年3月21日 (木)

重症患者における制限的輸液に関する観察研究

Schortgen F, Tabra Osorio C, Carpentier D, Henry M, Beuret P, Lacave G, Simon G, Blanchard PY, Gobe T, Guillon A, Bitker L, Duhommet G, Quenot JP, Le Meur M, Jochmans S, Dubouloz F, Mainguy N, Saletes J, Creutin T, Nicolas P, Senay J, Berthelot AL, Rizk D, Tran Van D, Riviere A, Heili-Frades SB, Nunes J, Robquin N, Lhotellier S, Ledochowski S, Guénégou-Arnoux A, Constan A. Fluid Intake in Critically Ill Patients: The "Save Useless Fluids For Intensive Resuscitation" Multicenter Prospective Cohort Study. Critical care medicine 2024;52:258-67.

フランス、スペインの30施設で行われたprospective studyで、重症患者における輸液の実態を蘇生輸液、維持輸液、薬剤希釈、technicalの4つに分けて解析した報告です。昇圧薬投与あるいは人工呼吸を行っている患者約280症例を対象として24時間の輸液を解析した結果、蘇生輸液は総輸液量の14%で、維持輸液、薬剤希釈がかなりの部分を占めていることが示されています。総輸液量と有意な関連のある変数としてはSAPS IIで示される重症度と抗菌薬投与が抽出されています。また輸液としては生食などNa濃度の高い輸液が多く用いられていることが示されています。

 

2024年3月19日 (火)

健常者における経口摂取した水分のカロリー、栄養成分と胃内容排泄時間の関係

Ali M, Uslu A, Bodin L, Andersson H, Modiri AR, Frykholm P. Effects of caloric and nutrient content of oral fluids on gastric emptying in volunteers: a randomised crossover study. British journal of anaesthesia 2024;132:260-6.

Swedenの研究者が行ったvolunteerを対象としたRCTで、術前2時間前に摂取する水分500mlのカロリーおよびタンパク、脂肪の含量が胃内容排泄に及ぼす影響を検討しています。胃内容排泄の評価には超音波による幽門前庭部断面積を用いて摂取後4時間まで評価しています。16名のvolunteerを対象として解析した結果、カロリー含量の高い飲料で胃内容排泄が遅延することが示されています。また4時間後にはどの飲料でも幽門前庭部の断面積がゼロとなっていることも示されています。

 

2024年3月18日 (月)

COVID-19由来のARDSにおける低酸素血症の機序

Busana M, Rau A, Lazzari S, Gattarello S, Cressoni M, Biggemann L, Harnisch LO, Giosa L, Vogt A, Saager L, Lotz J, Meller B, Meissner K, Gattinoni L, Moerer O: Causes of Hypoxemia in COVID-19 Acute Respiratory Distress Syndrome: A Combined Multiple Inert Gas Elimination Technique and Dual-energy Computed Tomography Study. Anesthesiology 2024; 140: 251-260

ドイツの研究者が行ったprospective, observational studyで、COVID-19呼吸不全患者における低酸素血症の機序を探るためVQ mismatchの程度と肺組織の密度と組織中の血液量の関係を詳細に検討しています。評価にはそれぞれ複数不活化ガス呼出法とdual-energy CTが用いられています。10症例を対象として解析した結果、低酸素の原因としてシャント、VQ mismatchが主体である事は他のARDS病態と同じですが、これだけでは説明できず、拡散障害あるいは気管枝循環での右左シャントが関与している事が示されています。部位別の評価では換気が良好なユニットで血液量も増加しており、含気の低下したユニットでは予想に反して血液量が減少していることも示されています。

 

2024年3月11日 (月)

脳死臓器提供時のNIRS測定への頭蓋外組織による干渉

Soehle M, Langer J, Schindler E, Manekeller S, Coburn M, Thudium M. Effect of Extracerebral Contamination on Near-infrared Spectroscopy as Revealed during Organ Donation: A Prospective Observational Study in Brain-dead Organ Donors. Anesthesiology 2024;140:231-9.

ドイツの研究者が行ったprospective, observational studyで、脳死患者を対象として2種類のNIRSモニタ測定結果に外頚動脈に灌流されている頭蓋外組織からの信号がどの程度影響しているかを検討した報告です。脳死患者では頭蓋内組織による近赤外光の吸収は生じず、rSO2が極めて低値となるという推定を根拠としています。脳死患者12症例を対象としてINVOSとForeSight NIRSモニタを装着し、臓器摘出のための大動脈遮断の前後でのrSO2の変化を観察しています。結果として両モニタとも大動脈遮断にともなう頭蓋外組織の灌流が停止した時点でrSO2は著明に低下しましたが、予想された15%未満より高値であり、測定値に頭蓋外組織による吸光が関与していると結論されています。

 

次回更新

日本集中治療医学会学術集会参加のため次回更新は3/18を予定しています。

«小児敗血症、敗血症性ショックに関するPhenix基準

過去の記事

近況報告

  • 日本集中治療医学会学術集会
    管理人は3/15午後のWS 21と3/16午前中のSY 19で座長を務めます。多数のご来場をお待ちしています。
  • 2024年
    17年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 日本麻酔科学会学術集会
    6/1に共催セミナーとJAシンポジウムで発表します。 6/2は共催セミナーで発表します。 多数のご来場をお待ちしています。
  • 2023年
    16年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 集中治療医学会@仙台
    3/19午後に英文機関誌編集委員会の企画「アクセプトされるコツ」があります。ご参加をお待ちしています。
  • 2022年
    15年目になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 循環制御医学会共催セミナー
    2月20日10:10から循環制御医学会の共催セミナーで発表させていただきます。「術中低血圧回避とモニタリング」という内容です。お時間があるようでしたら御視聴ください。
  • 2021年
    14年目になりました。引き続き宜しくお願いします。
  • 論文掲載
    HES 130/0.4に関する日本のDPC dataを用いたretrospective studyがJ Anesthの34巻6号に掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会
    2/22(土)に昭和大学で体液代謝管理研究会が開催されます。管理人は共催セミナーで「輸液は腎臓を守れるか」というタイトルで発表させていただきます。多数のご参加をお待ちしております。
2024年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ