2018年6月22日 (金)

制限的酸素投与が重症患者の死亡率および合併症発生率に及ぼす影響

Chu DK, Kim LH, Young PJ, Zamiri N, Almenawer SA, Jaeschke R, Szczeklik W, Schunemann HJ, Neary JD, Alhazzani W. Mortality and morbidity in acutely ill adults treated with liberal versus conservative oxygen therapy (IOTA): a systematic review and meta-analysis. Lancet 2018; 391: 1693-705.

カナダ、ニュージーランドおよびポーランドの研究者がまとめたmeta解析で、重症成人患者に対する非制限的酸素投与と制限的酸素投与が死亡率および予後に及ぼす影響を検討しています。約1万6千症例を対象とした25編のRCTが解析対象となり、結果として非制限的酸素投与は有意に死亡率を低下させることが明らかになりました。一方、緊急手術患者における創部感染症の発生には有意差がなく、これまで高濃度酸素の利点と考えられてきた創部感染症予防に関しても疑問を投げかける結果となっています。

2018年6月21日 (木)

ARDS診断精度を向上させるための教育ツールの意義

Goddard SL, Rubenfeld GD, Manoharan V, Dev SP, Laffey J, Bellani G, Pham T, Fan E. The Randomized Educational Acute Respiratory Distress Syndrome Diagnosis Study: A Trial to Improve the Radiographic Diagnosis of Acute Respiratory Distress Syndrome. Crit Care Med 2018; 46: 743-48.

2016年にJAMAに掲載されたLUNG-SAFE studyと平行して行われたRCTで、LUNG-SAFE studyのstudy cordinator 約300名を対象として videoによる教育ツールの視聴によってARDS診断精度が向上するかどうかを検討しています。11症例の胸部X線写真がARDSに該当するかどうかをテストし、教育ツール視聴前にテストを受ける群と教育ツール視聴後にテストを受ける群に分けて成績を比較しています。結果として教育ツール視聴による成績の向上はわずかであり、胸部X線写真からARDSを正確に診断することは困難であることが明らかになったとの結論されています。

2018年6月18日 (月)

手術室室温と加温装置が術中核心温に及ぼす影響

Pei L, Huang Y, Xu Y, Zheng Y, Sang X, Zhou X, Li S, Mao G, Mascha EJ, Sessler DI. Effects of Ambient Temperature and Forced-air Warming on Intraoperative Core Temperature: A Factorial Randomized Trial. Anesthesiology 2018; 128: 903-11.

中国の研究者が行ったRCTで、整形外科、胸部外科および腹部外科手術患者292症例を対象として室温および加温装置が麻酔開始後1から3時間にかけての体温低下および麻酔導入直後の再分布性体温低下に及ぼす影響を検討しています。室温に関しては19°C、21°Cおよび23°C、加温装置としては温風加温装置と受動的な被覆を比較しています。結果として受動的な被覆を用いた場合は再分布および術中体温低下率と室温に有意な相関が認められていますが、最終的な核心温の差には臨床的な意義は少ないと述べられています。一方、温風加温装置を用いた場合は再分布および術中体温低下率と室温の相関は認められませんでした。温風加温装置を使用する場合は術者にとって快適な室温を選択しても問題ないと考察されています。

2018年6月15日 (金)

手術患者におけるfailure to rescueとフレイルの関連

Shah R, Attwood K, Arya S, Hall DE, Johanning JM, Gabriel E, Visioni A, Nurkin S, Kukar M, Hochwald S, Massarweh NN. Association of Frailty With Failure to Rescue After Low-Risk and High-Risk Inpatient Surgery. JAMA Surg 2018; 153: e180214.

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、米国外科学会の大規模databaseを用いてfrailと術後合併症発生率の関連を検討しています。titleにあるfailure to rescueとは術後合併症に由来する死亡を意味するようです。2005年から2012年の間に入院による外科手術を受けた約98万症例を対象として検討し、frailについてはRAIという指標を用いて5段階で評価しています。結果として高リスク手術、低リスク手術いずれに関してもRAIの増加と合併症発生率、合併症による死亡いずれの間にも量反応関係が認められることが明らかになりました。考察ではRAIによるfailの評価はdecision makingおよびprehabilitationの適応を判断する上で有用と述べられています。

2018年6月14日 (木)

敗血症患者における凝固障害の重症度は院内死亡率の予測因子である

Lyons PG, Micek ST, Hampton N, Kollef MH. Sepsis-Associated Coagulopathy Severity Predicts Hospital Mortality. Crit Care Med 2018; 46: 736-42.

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、敗血症関連凝固障害(SAC)の重症度と院内死亡率の関連を検討しています。2010年から2015年の間に重症敗血症、敗血症性ショックで入院治療をうけた約6千症例を対象とし、PT-INRおよび血小板数でmild, moderateおよびsevere SACを定義しています。対象患者の4%, 16%および6%がmild, moderateおよびsevere SACに分類され、SACが院内死亡の有意なリスク因子であることが示されています。また、SAC重症度増加と並行して院内死亡率が増加することが示されており、SACは重症度予測指標として有用であると考察されています。

2018年6月12日 (火)

肺がん手術患者における周術期管理と長期予後

Huang WW, Zhu WZ, Mu DL, Ji XQ, Nie XL, Li XY, Wang DX, Ma D. Perioperative Management May Improve Long-term Survival in Patients After Lung Cancer Surgery: A Retrospective Cohort Study. Anesth Analg 2018; 126: 1666-74.

中国の研究者がまとめたretrospective studyで、肺がん手術患者における周術期管理が予後に及ぼす影響を検討するというtitleになっていますが、実際はdexamethasoneとflurbiprophen axetilが予後に及ぼす影響に関する検討です。2006年から2009年に手術を受けた肺がん患者588症例を対象として検討した結果、dexamethasoneは生存期間延長に有意に寄与することが示されています。一方、flurbiprophen axetil自体は生存期間延長に寄与しませんでしたが、dexamethasoneとflurbiprophen axetilを併用した群では他の群よりも生存期間が長く、相加効果が認められることが示されています。

2018年6月11日 (月)

多角的術後鎮痛が予後に及ぼす影響

Memtsoudis SG, Poeran J, Zubizarreta N, Cozowicz C, Morwald EE, Mariano ER, Mazumdar M. Association of Multimodal Pain Management Strategies with Perioperative Outcomes and Resource Utilization: A Population-based Study. Anesthesiology 2018; 128: 891-902.

米国の大規模databaseを用いたretrospective studyで、2006年から2016年の間に人工股関節置換術、人工膝関節置換術をうけた約150万症例を対象として、多角的鎮痛とopioidの使用量、入院期間、医療費との関連を検討しています。多角的鎮痛の要素としては末梢神経ブロック、acetoaminophen、ステロイド、gabapentinoid、ketamine、NSAIDsおよびCOX-2阻害剤を対象として検討し、適用されている要素の数とoutcomeの関連を検討しています。経時的には2011年以降急激に多角的鎮痛の併用が増加していることが明らかになっています。多角的鎮痛の要素数とopioid使用量には負のdose-responseが認められ、特にNSAIDs、COX-2阻害剤がopioid投与を減少させる効果が強いことが明らかになりました。多角的鎮痛の併用によって入院期間が短縮することが示されていますが、入院費用との関連は認められませんでした。

2018年6月 8日 (金)

新生児の気管挿管の際の鎮静薬が酸素化に及ぼす影響

Durrmeyer X, Breinig S, Claris O, Tourneux P, Alexandre C, Saliba E, Beuchee A, Jung C, Levy C, Marchand-Martin L, Marcoux MO, Dechartres A, Danan C. Effect of Atropine With Propofol vs Atropine With Atracurium and Sufentanil on Oxygen Desaturation in Neonates Requiring Nonemergency Intubation: A Randomized Clinical Trial. Jama 2018; 319: 1790-801.

フランスで行われた多施設RCTで、新生児における経鼻気管挿管の際に用いる鎮静薬によって挿管前後の酸素化に差があるかどうかを検討した報告です。気管挿管を行う週齢45週未満の新生児約170症例を対象としてatropine+propofolとatropine+sufentanil+atracuriumで比較しています。主要評価項目である60秒以上持続する低酸素血症には差がありませんでしたが 、60分までのSpO2 はatropine+propofol群で有意に高値であったと述べられています。atropine+propofol群では追加投与が必要、血圧低下が大きいことが示されています。一方atropine+sufentanil+atracurium群ではrigidityが生じる、頻脈が生じるなどの特徴が示されています。

2018年6月 7日 (木)

リスク補正敗血症重症度スコアの確立

Phillips GS, Osborn TM, Terry KM, Gesten F, Levy MM, Lemeshow S. The New York Sepsis Severity Score: Development of a Risk-Adjusted Severity Model for Sepsis. Crit Care Med 2018; 46: 674-83.

米国New York州のdatabaseを用いて行われたretrospective studyで、敗血症患者の受診時の背景を用いて死亡リスクを予測する方法を検討した報告です。2015年にNew York州の179施設で治療を受けた敗血症患者約4万3千症例を対象として検討した結果、ショック状態、血小板減少、悪性腫瘍転移、血液腫瘍、年齢、併発疾患の数、入院時の乳酸値などが独立したリスク因子であることが示されています。さらに年齢と併発疾患数、入院時乳酸値と併発疾患数の相互関係を考慮することによって予測モデルのAUROCが0.77であることが示されており、精度の高い死亡率予測が可能と結論されています。

2018年6月 5日 (火)

周術期心筋傷害患者における予期しない冠動脈CT所見

Grobben RB, van Waes JAR, Leiner T, Peelen LM, de Borst GJ, Vogely HC, Grobbee DE, Doevendans PA, van Klei WA, Nathoe HM. Unexpected Cardiac Computed Tomography Findings in Patients With Postoperative Myocardial Injury. Anesth Analg 2018; 126: 1462-68.

オランダの研究者がまとめたprospective studyで、術後心筋傷害と冠動脈病変の関係をcoronary CTを用いて検討した報告です。中程度から高リスクの非心臓手術を受けた患者で冠動脈疾患の既往のない患者を対象として術後高感度troponin I(TnI)測定と冠動脈CT撮影が行われた70症例を対象とし、TnIが有意に上昇した46症例と上昇が見られなかった20症例で比較しています。TnI上昇群の50%、TnI非上昇群の15%で冠動脈狭窄があり、有意差が認められています。また、TnI上昇群の33%、TnI非上昇群の20%で肺血栓塞栓症が存在することが示されています。結論では冠動脈疾患の既往がない場合でも冠動脈狭窄による心筋傷害が生じうる、また肺血栓塞栓症に由来するTnI上昇が相当数存在すると述べられています。

2018年6月 4日 (月)

opioid依存は術後再入院率を増加させる

Gupta A, Nizamuddin J, Elmofty D, Nizamuddin SL, Tung A, Minhaj M, Mueller A, Apfelbaum J, Shahul S. Opioid Abuse or Dependence Increases 30-day Readmission Rates after Major Operating Room Procedures: A National Readmissions Database Study. Anesthesiology 2018; 128: 880-90.

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、2013年、2014年におけるopioid依存と手術後30日以内の再入院との関連を検討しています。米国の大規模databaseから手術患者約160万症例のうち、約9万症例がopioid依存と診断されていることが明らかになりました。opioid依存患者ではHIV感染、精神疾患が有意に多いことが示されています。非opioid依存患者における再入院率が9.1%であるのに対して、opioid依存患者における再入院率は11.1%であり、有意差が認められました。opioid依存患者における再入院の原因としては感染症、opioid過量投与および急性痛が多数であると述べられています。

2018年6月 1日 (金)

重症ARDS患者に対するECMO治療(EOLIA trial)

Combes A, Hajage D, Capellier G, Demoule A, Lavoue S, Guervilly C, Da Silva D, Zafrani L, Tirot P, Veber B, Maury E, Levy B, Cohen Y, Richard C, Kalfon P, Bouadma L, Mehdaoui H, Beduneau G, Lebreton G, Brochard L, Ferguson ND, Fan E, Slutsky AS, Brodie D, Mercat A. Extracorporeal Membrane Oxygenation for Severe Acute Respiratory Distress Syndrome. N Engl J Med 2018; 378: 1965-75.

フランスの研究者が中心となって行った国際的多施設RCTで、重症ARDS患者249症例を対象としてECMO適用が60日死亡率を改善するかどうかを検討した報告です。腹臥位、神経筋遮断薬投与を含む肺保護換気でもPF比<80、PaCO2 60mmHgなど重症ARDSに該当する症例を対象として検討した結果、ECMO群で死亡率が低下する傾向が認められましたが、p=0.07と有意差には至らず、ECMOは重症ARDS患者の予後を改善しないという結論となっています。一方、副作用には大きな差が無く、機材、管理の改善によりECMO施行自体の安全性は向上しているようです。尚、対照群の28%が難治性の呼吸不全のためECMOを施行しており、結果の解釈を難しくしているようです。

2018年5月31日 (木)

ARDS患者における高PaO2が予後に及ぼす影響

Aggarwal NR, Brower RG, Hager DN, Thompson BT, Netzer G, Shanholtz C, Lagakos A, Checkley W. Oxygen Exposure Resulting in Arterial Oxygen Tensions Above the Protocol Goal Was Associated With Worse Clinical Outcomes in Acute Respiratory Distress Syndrome. Crit Care Med 2018; 46: 517-24.

最近、高濃度酸素暴露に伴う悪影響が注目されています。本研究もこのtopicに関するretrospective studyです。ARDS networkがこれまでに行った10のRCTに参加した約3000症例を対象としてstudy参加から5日目までにFiO2 0.5以上で、PaO2 80mmHg以上であった累積時間と90日死亡率の関連を検討しています。結果として重症度の低い群でより過剰な酸素投与が行われていたことが示されています。また重症度にかかわらず高PaO2と死亡率の間に有意な関連があることが明らかになっています。

2018年5月29日 (火)

PEEP step法を用いた麻酔中の肺および胸壁のメカニクス評価

Persson P, Stenqvist O, Lundin S. Evaluation of lung and chest wall mechanics during anaesthesia using the PEEP-step method. Br J Anaesth 2018; 120: 860-67.

スウェーデンの研究者が行ったobservational studyで、肺および胸壁のメカニクスを食道バルーンなしに定量化する方法としてPEEP step法が妥当かどうかを検討した報告です。臨床的にはPEEP step法による肺および胸壁のメカニクスの妥当性はARDS動物モデルでは検証されていますが、麻酔中に測定できれば肺保護戦略における至適PEEP levelの設定に有用であると述べられています。婦人科あるいは甲状腺手術を受ける患者24症例を対象として、換気量、気道内圧を精密に測定できる麻酔器を使用して検討した結果PEEP step法と食道バルーンによる経肺圧測定の誤差は少ないことが示されています。考察ではほぼ健常な患者でも肺および胸壁のメカニクスは個人差が大きいことから、有効な肺保護換気のためにはPEEP step法を含む定量評価が必要と述べられています。

2018年5月28日 (月)

Simulationを用いた評価で麻酔科residentの能力を評価しうる

Blum RH, Muret-Wagstaff SL, Boulet JR, et al.  Simulation-based Assessment to Reliably Identify Key Resident Performance Attributes. Anesthesiology 2018; 128: 821-31.

米国で行われているresidentに対するsimulation教育の効果を検証した報告で、結果の一部は2014年のAnesthesiologyに掲載されています。本報告では7つのシナリオに関してresident 1年目と3年目で結果に差があるかどうかを検証しています。1年目resident 31名、3年目resident 16名を対象として比較した結果、術前評価、術中出血に関しては1年目と3年目で差がありませんでしたが、その他のシナリオに関しては3年目residentの方が成績が良く、ばらつきも少ないことが示されています。とはいえ3年目でも成績不良者(worrisome performance)が認められ、教育プログラムに改善の余地があることが明らかになったと述べられています。

2018年5月25日 (金)

周術期gabapentin投与が術後痛の程度およびopioid投与に及ぼす影響

Hah J, Mackey SC, Schmidt P, McCue R, Humphreys K, Trafton J, Efron B, Clay D, Sharifzadeh Y, Ruchelli G, Goodman S, Huddleston J, Maloney WJ, Dirbas FM, Shrager J, Costouros JG, Curtin C, Carroll I. Effect of Perioperative Gabapentin on Postoperative Pain Resolution and Opioid Cessation in a Mixed Surgical Cohort: A Randomized Clinical Trial. JAMA Surg 2018; 153: 303-11.

米国の研究者が行ったRCTで、周術期のgabapentin投与がopioid依存を抑制できるかどうかを検討した報告です。約400症例の手術患者を対象として術前3日間、術後3日間のgabapentin投与が術後疼痛およびopioid投与期間に及ぼす影響を検討しています。評価項目としては5日間連続してpain score 0となる割合および5日間連続でopioidを服用しなかった割合が用いられており、長期間のfollow upが行われています。pain scoreに関しては有意差が無く、疼痛の軽減には有効でないと結論されていますが、opioidからの離脱期間が有意に短縮しており、routineに投与しても良いかもしれない、という結語になっています。

2018年5月24日 (木)

下大静脈の呼吸性変動評価に関する心窩部走査と右側腹部走査の比較

Shah R, Spiegel R, Lu C, Crnosija I, Ahmad S. Relationship Between the Subcostal and Right Lateral Ultrasound Views of Inferior Vena Cava Collapse: Implications for Clinical Use of Ultrasonography. Chest 2018; 153: 939-45.

米国の研究者が行ったprospective studyで、下大静脈の呼吸性変動の評価に関して走査部位別の評価を行った報告です。入院患者110症例を対象として、心窩部での長軸像、短軸像、右側腹部での長軸像を比較した結果、心窩部での長軸像での成功率が最も高いことが示されています。また心窩部短軸像を解析した結果、前後方向の呼吸性変動が左右方向よりも大きいことが示されています。結果として右側胸部からの走査は心窩部長軸像での呼吸性変動を過小評価することが明らかになっています。

2018年5月22日 (火)

待機的帝王切開の麻酔方法と入院中の重篤な合併症頻度の関連

Abe H, Sumitani M, Uchida K, Ikeda T, Matsui H, Fushimi K, Yasunaga H, Yamada Y. Association between mode of anaesthesia and severe maternal morbidity during admission for scheduled Caesarean delivery: a nationwide population-based study in Japan, 2010-2013. Br J Anaesth 2018;120:779-89.

日本の研究者がまとめたretrospective studyで、待機的帝王切開患者に対する麻酔方法と術後合併症リスクの関連をpropensity matchingを用いて検討しています。2010年から2013年の帝王切開患者約9万症例のうち全身麻酔群は約11%で、propensity matchした全身麻酔、区域麻酔各1万症例を比較した結果、全身麻酔群で術後合併症リスクが有意に増加していることが示されています。術後合併症の内容としては血液製剤投与頻度および敗血症が抽出されています。

2018年5月21日 (月)

米国の専門医試験system変更が麻酔科residentの知識習得に及ぼす効果

Zhou Y, Sun H, Lien CA, Keegan MT, Wang T, Harman AE, Warner DO. Effect of the BASIC Examination on Knowledge Acquisition during Anesthesiology Residency. Anesthesiology 2018; 128: 813-20.

米国では2014年から専門医認定の筆記試験に相当する試験を臨床麻酔経験1年(CA-1)終了時に行うことにしたようです。この変更に伴ってレジデントの知識習得の程度に変化が生じたかどうかを検証した報告です。評価項目としてABAが行っている任意のin-training examinationの成績を用いています。試験システム変更前の2学年、変更後の2学年、それぞれ約1500名のin-training examination受験者を対象として検討した結果、筆記試験早期実施後の学年ではin-training examinationの成績が向上していることが示されています。考察では試験システム変更によってレジデントのincentiveが向上した可能性、program directorが成績に応じて介入した可能性が挙げられています。

2018年5月15日 (火)

周術期心筋梗塞における冠動脈血栓の有無

Sheth T, Natarajan MK, Hsieh V, Valettas N, Rokoss M, Mehta S, Jolly S, Tandon V, Bezerra H, Devereaux PJ. Incidence of thrombosis in perioperative and non-operative myocardial infarction. Br J Anaesth 2018; 120: 725-33.

カナダの研究者が行ったprospective studyで、周術期心筋梗塞の原因として冠動脈血栓がどの程度関与しているかを検討した報告です。冠動脈血栓の検出にはoptical coherence tomographyという手法が用いられています。周術期心筋梗塞30症例と非周術期心筋梗塞30例で比較した結果、非周術期心筋梗塞群では2/3の症例で冠動脈血栓が認められたのに対して、周術期心筋梗塞群では1/8でのみ冠動脈血栓が認められました。一方、両群の間に動脈硬化の程度には差が無いと述べられています。これらの結果から周術期心筋梗塞には心筋酸素需給バランスの破綻の関与の方が大きいと考察されています。

«持続神経ブロックの長期使用と感染症の関連

過去の記事

近況報告

  • 病院移転
    管理人の勤務先の新病院への移転が6/16に行われ、無事終了いたしました。
  • 集中治療医学会@幕張
    2/22(木)の午後のCTG委員会企画のシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • Journal of intensive care
    今年もreviewer of the yearに選んでいただいたようです。
  • 2018年
    11年目になります。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 日本麻酔科学会@神戸
    1日目の共催セミナーおよび2日目の輸液のシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
  • J Intensive Care
    本年もreviewer of the yearに選んでいただきました。
  • 2017年
    10年目になりました。引き続きよろしくお願いします。
  • 臨床麻酔学会@高知
    臨床麻酔学会でのシンポジウムおよび教育講演に多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 著書出版
    稲田英一先生監修の新麻酔科研修の素朴な疑問に答えます、という書籍が出版されました。管理人は輸液に関する項目を分担執筆しています。
  • 著書刊行
    稲田英一先生の監修による麻酔科クリニカルクエスチョン101という書籍が刊行されました(診断と治療社)。管理人は輸液の指標、尿量減少時の鑑別診断という項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会
    金曜日朝のリフレッシャーコースおよび土曜日のランチョンセミナーに多数ご参加いただきありがとうございます。
  • Journal of Intensive Care
    本年もJournal of intensive careのreviewer of the yearに選んで頂きました。
  • 第31回体液・代謝管理研究会
    体液・代謝管理研究会が無事終了いたしました。ご参加頂いた先生方、ありがとうございました。
  • 2016年
    9年目になりました。本年も宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会教育講演
    10/21(水)9:30amから第4会場での教育講演「侵襲と血液凝固反応」にご来場いただいた先生方、ありがとうございました。
  • 心臓血管麻酔学会ランチョンセミナー
    心臓血管麻酔学会最終日のランチョンセミナーに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから循環器急性期診療という書籍が刊行されます。管理人は心拍出量モニタの項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会共催セミナー
    日本麻酔科学会2日目の共催セミナー「人工呼吸中のグラフィックモニタと肺胞リクルートメント手技」に多数ご来場頂きありがとうございました。
  • 著書刊行
    中山書店から刊行された周術期の薬物使用法という書籍で乳酸リンゲル液とHES製剤の稿を分担執筆しました。
  • 著書出版
    管理人が体液・代謝管理の項目を執筆した麻酔科学文献レビュー2015-2016という書籍が学研メディカル秀潤社から発売になりました。
  • 集中治療専門医テキスト第2版
    上記がCD-ROMとして発売になりました。管理人は循環モニタリングの項を執筆しました。
  • reviewers of the year
    Journal of Intensive Careの2014年reviewer of the yearに入れていただきました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 29, issue 1に右室拡張末期容量と輸液反応性に関する共著論文が掲載されました。
  • 2015年
    8年目になりました。引き続き宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で11/2午前中の筋弛緩に関するシンポジウムと11/3午前中の循環管理に関するシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 28, issue 3に非侵襲的hemoglobin測定装置に関する共著論文が掲載されました。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから発行された症例で学ぶ周術期の輸液管理という書籍(松永明先生編集)で症例検討1: 結腸癌手術という章を執筆させて頂きました。
  • 日本麻酔科学会@横浜
    日本麻酔科学会学術集会でのリフレッシャーコース、ランチョンセミナーにご来場頂いた読者の皆様、ありがとうございます。
  • 著書刊行
    吸入麻酔薬の肝毒性と腎毒性に関する章を執筆した吸入麻酔(克誠堂出版、山陰先生、平田先生編)という書籍が5月に刊行されました。
  • 論文掲載
    Journal of Anesthesiaのvolume 2にgoal-directed fluid managementに関するobservational studyの結果が掲載されました。
  • 集中治療医学会共催セミナー
    2/28(金)の非観血的血圧測定に関するランチョンセミナーに多数ご参加いただき、ありがとうございました。
  • 論文掲載
    麻酔の2014年2月号にHES 130/0.4(ボルベン)の総説が掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会@名古屋
    1/25開催の体液代謝管理研究会に多数のご参加を頂きました。ありがとうございます。 2016年の体液代謝管理研究会の開催を仰せつかりました。宜しくお願いいたします。
  • 2014年
    7年目になりました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で、大量出血時の膠質液の適正使用と高リスク患者の輸液管理について発表させていただきました。ご来場頂いた先生方ありがとうございます。
  • 論文掲載
    Anesthesia and Analgesiaの8月号に東邦大学大森病院、日本大学、東京女子医大、慶應大学の先生方と協同で行ったsugammadexの論文が掲載されました。
  • 日本麻酔科学会会長企画
    5/25(土)の11:00amから行われるInternational sessionでCurrent condition of neuromuscular block management in Japan.というtitleで発表させて頂きました。多数のご来場ありがとうございました。
  • 体液代謝管理研究会symposium
    1/26に上記研究会シンポジウムで「動的指標に基づいた輸液管理」に関して発表させて頂きました。ご参加頂いた先生方ありがとうございます。
  • 6年目になりました
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