2018年4月26日 (木)

重症患者における神経細胞と血管内皮細胞障害の程度と遠隔期の認知機能障害の関連

Hughes CG, Patel MB, Brummel NE, Thompson JL, McNeil JB, Pandharipande PP, Jackson JC, Chandrasekhar R, Ware LB, Ely EW, Girard TD. Relationships between markers of neurologic and endothelial injury during critical illness and long-term cognitive impairment and disability. Intensive Care Med 2018; 44: 345-55.

2014年にLancet Respir Medに掲載されたBRAIN-ICU studyのサブ解析で、急性期の血中S-100betaタンパク、UCHL1、BNDF、selectin-E, PAI-1濃度と3ヶ月後、12ヶ月後の認知機能低下の関連を検討した報告です。約400症例の重症患者を対象として検討した結果、急性期の血中S-100betaタンパクとselectin-E濃度上昇が3ヶ月後、12ヶ月後の認知機能低下の独立したリスク因子であることが示されています。考察では急性期の血管内皮細胞障害がBBBの異常を介して遠隔期の認知機能低下の誘因となっている可能性が挙げられています。

2018年4月24日 (火)

開腹手術におけるvariable ventilationと従来型の肺保護換気の比較

Spieth PM, Guldner A, Uhlig C, Bluth T, Kiss T, Conrad C, Bischlager K, Braune A, Huhle R, Insorsi A, Tarantino F, Ball L, Schultz MJ, Abolmaali N, Koch T, Pelosi P, Gama de Abreu M. Variable versus conventional lung protective mechanical ventilation during open abdominal surgery (PROVAR): a randomised controlled trial. Br J Anaesth 2018; 120: 581-91.

variable ventilationとは一回換気量をbreath-by-breathに変化させる換気で、Draegerのventilatorを外部のprogramでコントロールすることによって可能となります。自発呼吸と同じように一回換気量が増減することで無気肺の発生が予防されると考えられています。本研究はドイツの研究者が中心となって行ったRCTで、腹部手術50症例を対象として従来型の肺保護換気とTVが30%の幅で変動するvariable ventilationとで無気肺の程度、術後肺合併症の頻度を比較しています。結果としていずれのoutcomeにも有意差は認められず、variable ventilationの有用性は示されませんでした。

2018年4月23日 (月)

一側肺換気中の換気血流不均等および呼吸メカニクスに及ぼすPEEPの影響

Spadaro S, Grasso S, Karbing DS, Fogagnolo A, Contoli M, Bollini G, Ragazzi R, Cinnella G, Verri M, Cavallesco NG, Rees SE, Volta CA. Physiologic Evaluation of Ventilation Perfusion Mismatch and Respiratory Mechanics at Different Positive End-expiratory Pressure in Patients Undergoing Protective One-lung Ventilation. Anesthesiology 2018; 128: 531-38.

イタリアの研究者が行った前向き研究で、一側肺換気(OLV)中のPEEP levelが換気血流不均等および呼吸メカニクスに及ぼす影響をALPEという非侵襲的なモニタを用いて評価しています。OLV中のTVを4~5ml/kgとし、ZEEP、PEEP 5cmH2O、10cmH2Oで比較しています。両側換気からOLVに変更することによってシャント率が19% から33%まで増加し、OLV中のPEEP 5cmH2Oでは有意な改善が認められませんでしたが、PEEP 10cmH2Oで有意なシャント率の改善が認められています。また、PEEP付加によって死腔率の増加は認められませんでした。OLV中のPEEPとしては10cmH2Oが妥当であると考察されています。

2018年4月20日 (金)

重症患者における平衡塩類溶液と生理食塩水の比較

Semler MW, Self WH, Wanderer JP, Ehrenfeld JM, Wang L, Byrne DW, Stollings JL, Kumar AB, Hughes CG, Hernandez A, Guillamondegui OD, May AK, Weavind L, Casey JD, Siew ED, Shaw AD, Bernard GR, Rice TW. Balanced Crystalloids versus Saline in Critically Ill Adults. N Engl J Med 2018; 378: 829-39.

米国で行われた単一施設RCTで、ICU患者約15000症例を対象として30日死亡率、RRT施行率、急性腎傷害発生率に関して平衡塩類溶液と生理食塩水を比較した報告です。randomizationは月ごとに使用する輸液剤を変更することによって行っています。結果として乳酸リンゲルまたはPlasmalyte Aのいずれかが投与された群では生理食塩水投与群と比較して有意に予後が良好であることが示されています。特に輸液投与量の多いsubgroup、敗血症患者からなるsubgroupで有意差が大きくなっています。

2018年4月19日 (木)

M-modeエコーを用いたB-lineの発生機序解析

Singh AK, Mayo PH, Koenig S, Talwar A, Narasimhan M. The Use of M-Mode Ultrasonography to Differentiate the Causes of B Lines. Chest 2018; 153: 689-96.

米国の研究者が行ったprospective, observational studyで、M-mode肺エコーの所見で心原性肺水腫(CPE)と非心原性肺胞間質症候群(NCAIS)の鑑別が可能かどうかを検討しています。評価する所見としては胸膜が連続patternか非連続patternか、胸膜下組織のエコーが水平方向か鉛直方向か、が用いられています。CPE12例、NCAIS17例、健常者14例を対象として検討した結果、 CPEに特徴的な所見は胸膜の連続patternと鉛直方向の胸膜下組織エコーであり、一方NCAISに特徴的な所見は胸膜の非連続patternと鉛直方向の胸膜下組織エコーであることが示されています。結論ではM-mode肺エコーはCPEとNCAISの鑑別に有用であると述べられています。

2018年4月17日 (火)

norepinephrineは敗血症性ショックの初期の患者において陽性変力作用を示す

Hamzaoui O, Jozwiak M, Geffriaud T, Sztrymf B, Prat D, Jacobs F, Monnet X, Trouiller P, Richard C, Teboul JL. Norepinephrine exerts an inotropic effect during the early phase of human septic shock. British journal of anaesthesia 2018;120:517-24.

フランスの研究者が行ったobservational studyで、敗血症性ショック38症例を対象として、MAPを65mmHg以上に維持するために投与するnorepinephrineが心機能に及ぼす影響をTTEによって得られる指標で評価した報告です。norepinephrineの投与量は0.45µg/kg/minで、norepinephrine投与によってHR、拡張末期容量には有意差が生じませんでしたが、左室および右室の収縮能が有意に増加していることが示されています。投与前のLVEF<45%の低心機能患者においても同様の所見が得られています。機序として直接的なbeta-1刺激と拡張期圧上昇による冠灌流の改善が考察されています。

2018年4月16日 (月)

胸部硬膜外ブロックが排尿機能に及ぼす影響:ropivacaineとbupivacaineの比較

Girsberger SA, Schneider MP, Loffel LM, Burkhard FC, Wuethrich PY. Effect of Thoracic Epidural Ropivacaine versus Bupivacaine on Lower Urinary Tract Function: A Randomized Clinical Trial. Anesthesiology 2018; 128: 511-19.

スイスの研究者が行ったRCTで、硬膜外ブロックに由来する排尿機能障害の程度をbupivacaineとropivacaineで比較しています。腎臓手術を受ける患者42症例を対象として、術後0.125%bupivacaineと0.2%ropivacaineを硬膜外腔に持続注入し、術前と術後で排尿後の膀胱容量および排尿速度を比較しています。結果として0.2%ropivacaine群では排尿後の膀胱容量が少なく、排尿速度が大きいことが示されており、結果として排尿機能に及ぼす影響としてはropivacaineの方が少ないことが明らかになっています。

2018年4月13日 (金)

成人敗血症性ショック患者におけるhydrocortisoneとfludrocortisone併用の効果(APROCCHSS trial)

Annane D, Renault A, Brun-Buisson C, et al. Hydrocortisone plus Fludrocortisone for Adults with Septic Shock. N Engl J Med 2018; 378: 809-18.

フランスで行われた多施設RCTで、2005年から2015年の間の敗血症性ショック発症から24時間以内の患者約1200症例を対象としてhydrocortisoneとfludrocortisone投与が90日死亡率に及ぼす影響を検討しています。オリジナルtrialはAPCの効果を併せて検討する2X2 designでしたが、APC発売中止にともなってprotocolが修正されています。結果としてhydrocortisoneとfludrocortisone併用群で90日死亡率、shock離脱など多くの評価項目において有意差を持って改善が認められてます。副作用としては高血糖が有意に高頻度であったと述べられています。

2018年4月12日 (木)

AKI患者における尿細管細胞分裂停止マーカーの推移

Ostermann M, McCullough PA, Forni LG, Bagshaw SM, Joannidis M, Shi J, Kashani K, Honore PM, Chawla LS, Kellum JA. Kinetics of Urinary Cell Cycle Arrest Markers for Acute Kidney Injury Following Exposure to Potential Renal Insults. Crit Care Med 2018; 46: 375-83.

2016年にCrit Care Medに掲載されたSapphire trialの2次解析で、5つの腎傷害リスク因子、すなわち拡大手術、造影剤、vancomycin, PIPCおよびNSAIDs暴露と尿細管細胞分裂停止マーカーであるTIMP-2・IGFBP濃度の時間的関連を解析しています。対象患者の90%がいずれかの腎傷害リスク因子の暴露を受けており、AKI stage 2または3の発生は約20%であったことが示されています。造影剤以外のリスク因子の暴露後にはTIMP-2・IGFBP濃度は典型的なrise and fall patternを呈していますが、造影剤投与群ではすでに上昇しており、典型的なパターンを示しませんでした。

2018年4月10日 (火)

重傷鈍的外傷患者におけるlactateは高血糖と臓器障害の関係を修飾するか?

Richards JE, Scalea TM, Mazzeffi MA, Rock P, Galvagno SM, Jr. Does Lactate Affect the Association of Early Hyperglycemia and Multiple Organ Failure in Severely Injured Blunt Trauma Patients? Anesth Analg 2018; 126: 904-10.

外傷患者の侵襲度を評価する方法としてstress-induced hyperglycemiaとlactateがありますが、両者とも解糖系を介する反応であり、有意に相関している可能性があります。本研究は米国の研究者がまとめたretrospective studyで、鈍的外傷患者約500症例を対象として受傷後のMOF発症と受傷から24時間までの血糖値、乳酸値の関連を検討しています。対象患者において受傷から24時間までの血糖値、乳酸値の間には有意な相関関係が認められています。対象の約9%でMOFが発症し、独立して解析すると血糖値、乳酸値いずれもMOFのリスク因子ですが、同時に解析すると血糖とMOFの間には有意な関連が認められなくなっています。血糖上昇の機序として乳酸からglucoseへの変換が考察されています。

2018年4月 9日 (月)

市中病院における挿管困難および挿管不能症例のトレンド

Schroeder RA, Pollard R, Dhakal I, Cooter M, Aronson S, Grichnik K, Buhrman W, Kertai MD, Mathew JP, Stafford-Smith M. Temporal Trends in Difficult and Failed Tracheal Intubation in a Regional Community Anesthetic Practice. Anesthesiology 2018; 128: 502-10.

米国で行われたretrospective studyで、日帰り手術センターを含む市中病院での挿管困難、挿管不能症例の頻度、トレンドを検討した報告です。挿管担当者はいずれもskilled providerと記載されています。2002年から2015年までの約42万症例で検討した結果、挿管困難は1000症例あたり3.3回、挿管不能は1000症例あたり0.1回であることが示されています。経時的には2009年以前と比較して2009年以降はリスクが4分の1に低下していることが示されています。尚、2015年の患者背景としてASA PS 4が21%、BMI>30が34%と記載されています。

2018年4月 6日 (金)

敗血症性ショックに対するglucocorticoid補充療法(ADRENAL trial)

Venkatesh B, Finfer S, Cohen J, Rajbhandari D, Arabi Y, Bellomo R, Billot L, Correa M, Glass P, Harward M, Joyce C, Li Q, McArthur C, Perner A, Rhodes A, Thompson K, Webb S, Myburgh J. Adjunctive Glucocorticoid Therapy in Patients with Septic Shock. N Engl J Med 2018; 378: 797-808.

オーストラリアを中心とする5カ国、69施設で行われたRCTで、敗血症性ショック患者約3800症例を対象としてhydrocortisone 200mg/dayが90日死亡率を含む予後を改善するかどうかを検討した報告です。投与期間は原則7日間でtaperingは行わないprotocolとなっています。主要評価項目である90日死亡率には有意差がありませんでしたが、ショックからの離脱、人工呼吸からの離脱期間が有意に短く、輸血の必要性が有意に減少したことが報告されています。

2018年4月 5日 (木)

急性呼吸不全患者における感染症診断に関するmolecular host response assayの検証

Koster-Brouwer ME, Verboom DM, Scicluna BP, van de Groep K, Frencken JF, Janssen D, Schuurman R, Schultz MJ, van der Poll T, Bonten MJM, Cremer OL. Validation of a Novel Molecular Host Response Assay to Diagnose Infection in Hospitalized Patients Admitted to the ICU With Acute Respiratory Failure. Crit Care Med 2018; 46: 368-74.

今回検討対象となったMolecular Host Response Assayは4種類の炎症関連mediatorのRNA発現から感染症を診断する診断kit(SeptiCyte LAB)で、これまでの報告ではCRPなどよりも感染症の診断、rule outに有用とされています。本報告ではオランダの2施設において入院中に呼吸不全を発症し、ICUに収容された約470症例を対象としてSeptiCyte LABと専門医の診断の一致に関して検討しています。専門医による感染症診断をruled out, undetermined, confirmedに大別し、SeptiCyte LABの精度を検証した結果、AUROCが0.72と過去の報告よりも診断精度が低いことが示されています。またCRPとの比較でも有意差が認められませんでした。結語ではSeptiCyte LABによる感染症の診断には限界があると述べられています。

2018年4月 3日 (火)

腹部手術患者における術後合併症リスク評価

Kim M, Wall MM, Li G. Risk Stratification for Major Postoperative Complications in Patients Undergoing Intra-abdominal General Surgery Using Latent Class Analysis. Anesth Analg 2018; 126: 848-57.

米国の大規模databaseを用いたretrospective studyでlatent class analysis (LCA)という手法を用いて術前情報から術後合併症リスクを予測した報告です。著者らは同じ手法を用いてLCAによる術後死亡リスクの推定が有用であることをすでに報告しています。LCAでは術前の31の指標を用いて9段階のclass分類が行われており、ASA PS単独、術式単独による合併症リスクの予測よりもLCA, ASA PSおよび術式を加えたモデルでは術後合併症予測の精度が向上することが示されています。また合併症の種類によってLCAの有用性が異なり、心筋梗塞、ARDSなどについては特にLCAが有用であることが示されています。

2018年4月 2日 (月)

大腿骨骨折手術に対する神経幹麻酔と予後の関連

McIsaac DI, Wijeysundera DN, Huang A, Bryson GL, van Walraven C. Association of Hospital-level Neuraxial Anesthesia Use for Hip Fracture Surgery with Outcomes: A Population-based Cohort Study. Anesthesiology 2018; 128: 480-91.

カナダオンタリオ州のdatabaseを用いたretrospective studyで、2002年から2014年の間に大腿骨骨折に対して手術を受けた65歳以上の患者の30日死亡率と麻酔方法の関連を検討しています。対象となった約11万症例に対して神経幹麻酔の施行率は経時的に増加する傾向があり、2014年では約50%が神経幹麻酔で施行されています。30日死亡率は8.5%であり、患者レベルで検討すると麻酔方法と予後には関係がありませんが、病院レベルで検討した結果、神経幹麻酔の施行頻度が高い施設では予後が良好であることが示されています。考察では麻酔方法の直接的な影響よりも神経幹麻酔を多く用いている施設ではprocess of careが優れている可能性があると述べられています。

2018年3月30日 (金)

黄色ブドウ球菌菌血症に対するrifampicin追加の効果

Adjunctive rifampicin for staphylococcus aureus bacteraemia : a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2018;391:668-78

英国で行われた多施設RCTで、黄色ブドウ球菌菌血症患者に対して通常の抗菌薬にrifampicinを追加することによって治療成功率が改善するか、治療完了までの期間を短縮できるかどうかを検討しています。対象患者約770症例のうち、ICU患者は9%、MRSA感染は6%で、必ずしも重症患者ではない印象です。結果としてrifampicin追加によって黄色ブドウ球菌菌血症の再発は有意に低下していますが、その他の評価項目には差がありませんでした。合併症の頻度が増加していることを考慮して、rifampicin追加のbenefitは少ないと結論されています。

2018年3月29日 (木)

人工呼吸患者における鎮静と人工呼吸非同調の関連

Sottile PD, Albers D, Higgins C, McKeehan J, Moss MM. The Association Between Ventilator Dyssynchrony, Delivered Tidal Volume, and Sedation Using a Novel Automated Ventilator Dyssynchrony Detection Algorithm. Crit Care Med 2018; 46: e151-e57.

米国の研究者が行ったobservational studyで、人工呼吸中のventilator dyssynchrony (VD)を自動的に検出するalgorithmを用いて、VDの頻度、VDと一回換気量の関係、VDとsedation, 神経筋遮断薬投与の関連を検討しています。62症例、約400万回の呼吸を対象として検討した結果、VDの発生頻度は34%であり、double trigger, flow-limited breathでTVが有意に増加していることが明らかになりました。sedationを深くしてもVDは残存しますが、神経筋遮断薬投与によってVDが消失することも示されています。

2018年3月27日 (火)

患者の口渇感を指標とした輸液と医師による輸液計画の比較

Hughes F, Ng SC, Mythen M, Montgomery H. Could patient-controlled thirst-driven fluid administration lead to more rapid rehydration than clinician-directed fluid management? An early feasibility study. British journal of anaesthesia 2018; 120: 284-90

英国の研究者が16名のvolunteerを対象として行った研究で、furosemide投与による脱水状態に対してPCAと類似した輸液ポンプを用いてpatient controlな輸液負荷を行う場合と医師による輸液計画を行う場合で、輸液量、尿浸透圧等を比較しています。体重1~1.5kgの減少に対して、医師による輸液計画では約400mlが投与されたのに対して、患者管理では1100mlが投与され、尿浸透圧、口渇感も有意に改善が認められれています。時間的には1回の負荷200ml、lock out time 15分の設定で、約4時間で1kgの脱水に対する補充が可能であったと述べられています。

2018年3月26日 (月)

健常人におけるNaCl負荷が末梢血管透過性に及ぼす影響

Rorije NMG, Olde Engberink RHG, Chahid Y, et al. Microvascular Permeability after an Acute and Chronic Salt Load in Healthy Subjects: A Randomized Open-label Crossover Intervention Study. Anesthesiology 2018; 128: 352-60

オランダの研究者が健常volunteerを対象として行ったstudyで、Na負荷が血管の機能、特にendothelial surface layerの機能に及ぼす影響を検討しています。特に慢性Na負荷と急性Na負荷の影響を比較するために高Na食群と低Na食と高張Na溶液の静脈内投与併用群での比較が行われています。評価項目は血行動態、albuminの消失速度、aminoglycanの尿中濃度、舌の末梢循環などが用いられています。低Na食と高張Na溶液の静脈内投与併用群でalbuminの消失速度が増加するとともにaminoglycanの尿中濃度が有意に低下しており、急性Na負荷によってendothelial surface layerが障害された結果であると解釈されています。

2018年3月23日 (金)

上腹部手術患者における術前理学療法が呼吸器合併症発生に及ぼす影響

Boden I, Skinner EH, Browning L, et al. Preoperative physiotherapy for the prevention of respiratory complications after upper abdominal surgery: pragmatic, double blinded, multicentre randomised controlled trial. BMJ (Clinical research ed) 2018; 360: j5916

オーストラリアおよびニュージーランドで行われた多施設RCTで、臍より近位に5cm以上の創が生じる手術患者441症例を対象として、術前理学療法が術後肺合併症(PPC)に及ぼす影響を検討しています。対照群では術前外来でパンフレットを配布するのみであったのに対して、介入群では理学療法士と30分間face-to-faceで呼吸訓練を施行しています。結果として対照群でのPPC発生率が27%であったのに対して、介入群では12%と有意に低下することが示されています。subgroup analysisでは特に大腸直腸手術、上部消化管手術で有用性が高いことが明らかになっています。

«ICUにおける血液浄化法のmodalityと退院時の腎機能

過去の記事

近況報告

  • 集中治療医学会@幕張
    2/22(木)の午後のCTG委員会企画のシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • Journal of intensive care
    今年もreviewer of the yearに選んでいただいたようです。
  • 2018年
    11年目になります。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 日本麻酔科学会@神戸
    1日目の共催セミナーおよび2日目の輸液のシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
  • J Intensive Care
    本年もreviewer of the yearに選んでいただきました。
  • 2017年
    10年目になりました。引き続きよろしくお願いします。
  • 臨床麻酔学会@高知
    臨床麻酔学会でのシンポジウムおよび教育講演に多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 著書出版
    稲田英一先生監修の新麻酔科研修の素朴な疑問に答えます、という書籍が出版されました。管理人は輸液に関する項目を分担執筆しています。
  • 著書刊行
    稲田英一先生の監修による麻酔科クリニカルクエスチョン101という書籍が刊行されました(診断と治療社)。管理人は輸液の指標、尿量減少時の鑑別診断という項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会
    金曜日朝のリフレッシャーコースおよび土曜日のランチョンセミナーに多数ご参加いただきありがとうございます。
  • Journal of Intensive Care
    本年もJournal of intensive careのreviewer of the yearに選んで頂きました。
  • 第31回体液・代謝管理研究会
    体液・代謝管理研究会が無事終了いたしました。ご参加頂いた先生方、ありがとうございました。
  • 2016年
    9年目になりました。本年も宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会教育講演
    10/21(水)9:30amから第4会場での教育講演「侵襲と血液凝固反応」にご来場いただいた先生方、ありがとうございました。
  • 心臓血管麻酔学会ランチョンセミナー
    心臓血管麻酔学会最終日のランチョンセミナーに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから循環器急性期診療という書籍が刊行されます。管理人は心拍出量モニタの項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会共催セミナー
    日本麻酔科学会2日目の共催セミナー「人工呼吸中のグラフィックモニタと肺胞リクルートメント手技」に多数ご来場頂きありがとうございました。
  • 著書刊行
    中山書店から刊行された周術期の薬物使用法という書籍で乳酸リンゲル液とHES製剤の稿を分担執筆しました。
  • 著書出版
    管理人が体液・代謝管理の項目を執筆した麻酔科学文献レビュー2015-2016という書籍が学研メディカル秀潤社から発売になりました。
  • 集中治療専門医テキスト第2版
    上記がCD-ROMとして発売になりました。管理人は循環モニタリングの項を執筆しました。
  • reviewers of the year
    Journal of Intensive Careの2014年reviewer of the yearに入れていただきました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 29, issue 1に右室拡張末期容量と輸液反応性に関する共著論文が掲載されました。
  • 2015年
    8年目になりました。引き続き宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で11/2午前中の筋弛緩に関するシンポジウムと11/3午前中の循環管理に関するシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 28, issue 3に非侵襲的hemoglobin測定装置に関する共著論文が掲載されました。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから発行された症例で学ぶ周術期の輸液管理という書籍(松永明先生編集)で症例検討1: 結腸癌手術という章を執筆させて頂きました。
  • 日本麻酔科学会@横浜
    日本麻酔科学会学術集会でのリフレッシャーコース、ランチョンセミナーにご来場頂いた読者の皆様、ありがとうございます。
  • 著書刊行
    吸入麻酔薬の肝毒性と腎毒性に関する章を執筆した吸入麻酔(克誠堂出版、山陰先生、平田先生編)という書籍が5月に刊行されました。
  • 論文掲載
    Journal of Anesthesiaのvolume 2にgoal-directed fluid managementに関するobservational studyの結果が掲載されました。
  • 集中治療医学会共催セミナー
    2/28(金)の非観血的血圧測定に関するランチョンセミナーに多数ご参加いただき、ありがとうございました。
  • 論文掲載
    麻酔の2014年2月号にHES 130/0.4(ボルベン)の総説が掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会@名古屋
    1/25開催の体液代謝管理研究会に多数のご参加を頂きました。ありがとうございます。 2016年の体液代謝管理研究会の開催を仰せつかりました。宜しくお願いいたします。
  • 2014年
    7年目になりました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で、大量出血時の膠質液の適正使用と高リスク患者の輸液管理について発表させていただきました。ご来場頂いた先生方ありがとうございます。
  • 論文掲載
    Anesthesia and Analgesiaの8月号に東邦大学大森病院、日本大学、東京女子医大、慶應大学の先生方と協同で行ったsugammadexの論文が掲載されました。
  • 日本麻酔科学会会長企画
    5/25(土)の11:00amから行われるInternational sessionでCurrent condition of neuromuscular block management in Japan.というtitleで発表させて頂きました。多数のご来場ありがとうございました。
  • 体液代謝管理研究会symposium
    1/26に上記研究会シンポジウムで「動的指標に基づいた輸液管理」に関して発表させて頂きました。ご参加頂いた先生方ありがとうございます。
  • 6年目になりました
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