2018年8月14日 (火)

食道癌患者における術中オピオイド投与が予後に及ぼす影響

Du KN, Feng L, Newhouse A, Mehta J, Lasala J, Mena GE, Hofstetter WL, Cata JP. Effects of Intraoperative Opioid Use on Recurrence-Free and Overall Survival in Patients With Esophageal Adenocarcinoma and Squamous Cell Carcinoma. Anesth Analg 2018; 127: 210-16.

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、手術中のfentanyl投与量とrecurrent free survivalおよびoverall survivalの関連を検討した報告です。特徴は欧米で頻度の多い腺癌658症例とアジアで高頻度に見られる扁平上皮癌67症例を分けて検討している点です。fentanyl換算で710µgを閾値として検討した結果、腺癌ではfentanyl投与量と予後には有意な関連は認められませんでしたが、扁平上皮癌ではfentanyl投与量が710µg未満の群ではsurvivalが有意に短いことが明らかになりました。結語では再発リスクを恐れてfentanyl投与量を減少させる根拠はないと述べられています。

2018年8月13日 (月)

Propool麻酔科の健常ボランティアにおけるCO2添加は気道開存性を向上させる

Ruscic KJ, Bogh Stokholm J, Patlak J, Deng H, Simons JCP, Houle T, Peters J, Eikermann M. Supplemental Carbon Dioxide Stabilizes the Upper Airway in Volunteers Anesthetized with Propofol. Anesthesiology 2018; 129: 37-46.

12名の健常ボランティアを対象として行われたprospective studyで、吸気にCO2を添加し、PetCO2を増加させることによってpropofol投与中の気道開存性が向上するかどうかを検討してます。propofol投与はlight anesthesia、deep anesthesiaの2段階、CO2は無添加、PetCO2 4mmHg、8mmHg増加の3段階で検討し、気道開存性の評価には気道閉塞が生じる閉塞圧およびおとがい舌筋の電気的活動で評価しています。結果として、CO2添加によって閉塞が生じる気道内陰圧が増加し、気道の安定性が向上することが示されています。同時におとがい舌筋の筋電図も有意に増加しており、気道開存性改善の主たる機序と考察されています。またlight anesthesiaではCO2添加によってBISが増加する現象が認められています。

2018年8月 3日 (金)

ICUにおける重症代謝性アシドーシス患者に対する重炭酸Na投与

Jaber S, Paugam C, Futier E, Lefrant JY, Lasocki S, Lescot T, Pottecher J, Demoule A, Ferrandiere M, Asehnoune K, Dellamonica J, Velly L, Abback PS, de Jong A, Brunot V, Belafia F, Roquilly A, Chanques G, Muller L, Constantin JM, Bertet H, Klouche K, Molinari N, Jung B. Sodium bicarbonate therapy for patients with severe metabolic acidaemia in the intensive care unit (BICAR-ICU): a multicentre, open-label, randomised controlled, phase 3 trial. Lancet 2018; 392: 31-40.

フランスで行われた多施設RCTで、pH<7.20の代謝性acidosisを来している重症患者約400症例を対象として、pH>7.30を目標とした4.2%重炭酸Na投与が28日時点での死亡および第7病日の臓器障害の有無を評価項目として比較しています。全体でのoutcomeに関しては有意差はありませんでしたが、AKIN grade 2または3のAKI患者に限定して解析した結果、重炭酸Na投与は28日死亡率およびRRTの必要度を有意に減少させることが示されています。

2018年8月 2日 (木)

敗血症性ショックおよびARDSにおける腎代替療法施行のtimingと予後の関連

Gaudry S, Hajage D, Schortgen F, Martin-Lefevre L, Verney C, Pons B, Boulet E, Boyer A, Chevrel G, Lerolle N, Carpentier D, de Prost N, Lautrette A, Bretagnol A, Mayaux J, Nseir S, Megarbane B, Thirion M, Forel JM, Maizel J, Yonis H, Markowicz P, Thiery G, Tubach F, Ricard JD, Dreyfuss D. Timing of Renal Support and Outcome of Septic Shock and Acute Respiratory Distress Syndrome. A Post Hoc Analysis of the AKIKI Randomized Clinical Trial. Am J Respir Crit Care Med 2018; 198: 58-66.

2016年にNEJMに掲載されたAKIKI trialの2次解析で、敗血症性ショック、ARDSおよびSAPS 2高値のsubgroupのみを抽出してこれらの病態における早期RRT施行が60日死亡率に及ぼす影響を検討しています。早期RRT施行群は研究組み入れ直後から、待期的RRT施行群は72時間経過後適応のある症例でRRTを施行しています。結果としていずれのsubgroupにおいても早期RRT施行、待期的RRT施行の間に有意差が見られず、待期的RRT施行群で腎機能の回復が早かったことが明らかになっています。考察では状態安定前のRRT施行によって人工的な腎傷害が生じる可能性があると述べられています。

2018年7月31日 (火)

周術期アナフィラキシーを生じた症例における複数回麻酔の予後

Miller J, Clough SB, Pollard RC, Misbah SA. Outcome of repeat anaesthesia after investigation for perioperative anaphylaxis. Br J Anaesth 2018; 120: 1195-201.

英国の研究者がまとめたretrospective studyで、2002年から2015年の間に周術期anaphylaxisが疑われ、drug allergy clinicで被疑薬の検討等のfollow upが行われた127症例を対象としています。これらの症例の約半数で麻酔導入後手術が中止となっています。anaphylaxisの起因薬剤としては神経筋遮断薬によるものが約半数を占めています。follow upが行われた症例のうち、70症例で後日手術が行われ、drug allergy clinicでの評価結果に基づいて被疑薬を回避する処置が行われています。この結果、96%の症例でanaphylaxisの再発を回避することが可能であったと述べられています。考察ではskin prick、intradermal testと臨床経過による現時点でのanaphylaxisの評価は概ね妥当であると述べられています。

2018年7月30日 (月)

術前内服薬の多寡と術後死亡率、合併症および医療費の関連

McIsaac DI, Wong CA, Bryson GL, van Walraven C. Association of Polypharmacy with Survival, Complications, and Healthcare Resource Use after Elective Noncardiac Surgery: A Population-based Cohort Study. Anesthesiology 2018; 128: 1140-50.

カナダの研究者がまとめたretrospective studyで、術前処方薬の数と90日死亡率の関連を調査した報告です。カナダ、オンタリオ州で2002年から2014年までに非心臓major surgeryを受けた約26万症例を対象として、5種類以上の内服薬を服用による死亡リスクを検討しています。対象患者の約55%が5種類以上の内服を行っており、90日死亡リスクが1.2倍となることが示されています。ただし、術前合併症が多い症例、frailな症例では多剤服用によるリスクが減少しており、術前状態と内服薬の多寡のconfoundingに注意が必要であると考察されています。

2018年7月27日 (金)

術中輸液管理が予後に及ぼす影響

Shin CH, Long DR, McLean D, Grabitz SD, Ladha K, Timm FP, Thevathasan T, Pieretti A, Ferrone C, Hoeft A, Scheeren TWL, Thompson BT, Kurth T, Eikermann M. Effects of Intraoperative Fluid Management on Postoperative Outcomes: A Hospital Registry Study. Ann Surg 2018; 267: 1084-92.

米国の3施設で行われた非心臓手術約9万症例を対象として行ったretrospective studyで、術中輸液量と術後肺合併症、術後AKIおよび入院期間、医療費の関係を解析しています。特徴はquintleすなわち輸液量で5群に分けて解析している点となります。術後肺合併症、術後AKIおよび術後死亡率はそれぞれ3.9%、2.9%および0.5%であり、輸液量との関連はいずれもU字型のcurveとなることが示されています。術後肺合併症および術後死亡率は2nd quintleで最小、AKIは4th quintileで最小となることが示されています。

2018年7月26日 (木)

糖尿病合併ICU患者における血糖管理

Luethi N, Cioccari L, Biesenbach P, Lucchetta L, Kagaya H, Morgan R, Di Muzio F, Presello B, Gaafar D, Hay A, Crisman M, Toohey R, Russell H, Glassford NJ, Eastwood GM, Ekinci EI, Deane AM, Bellomo R, Martensson J. Liberal Glucose Control in ICU Patients With Diabetes: A Before-and-After Study. Crit Care Med 2018; 46: 935-42.

重症患者での血糖管理の重要性は広く認識されていますが、糖尿病の既往を有する患者における血糖管理の目標値は明らかではないようです。特に最近の報告からは糖尿病の既往を有する患者ではBS 10~14mmol/lの高血糖許容が予後を改善する可能性が示唆されています。本報告はオーストラリアの単一施設で行われたbefore-after studyの結果であり、糖尿病を有する重症患者で高血糖許容プロトコール施行前の目標値BS 6-10mmol/lの時期と1施行後0-14mmol/lを目標とした時期とで血糖の推移および腎機能、炎症の程度および予後を比較しています。結果として高血糖許容によって血糖が安定し、かつ予後には有意差が認められませんでした。

2018年7月24日 (火)

術中高酸素血症が創部感染症に及ぼす影響

Cohen B, Schacham YN, Ruetzler K, Ahuja S, Yang D, Mascha EJ, Barclay AB, Hung MH, Sessler DI. Effect of intraoperative hyperoxia on the incidence of surgical site infections: a meta-analysis. Br J Anaesth 2018; 120: 1176-86.

米国の研究者がまとめたmeta解析で、手術中の酸素投与がSSI発生頻度に及ぼす影響を検討しています。同様の話題は繰り返し検討されていますが、本報告の特徴は著者らが2018年に報告した最新の大規模studyを含んでいる点です。解析対象となった26編のRCTすべてを解析したところ、高濃度酸素によってSSIが減少することが示されましたが、biasのリスクが少ない報告に限って解析した結果は高濃度酸素の有用性は示されませんでした。論文の結論では後者を重視して高濃度酸素は有効ではないと述べられています。

2018年7月23日 (月)

非開腹手術ではPEEP付加のみで無気肺形成が防止できる

Ostberg E, Thorisson A, Enlund M, Zetterstrom H, Hedenstierna G, Edmark L. Positive End-expiratory Pressure Alone Minimizes Atelectasis Formation in Nonabdominal Surgery: A Randomized Controlled Trial. Anesthesiology 2018; 128: 1117-24.

Swedenの研究者が行ったRCTで、比較的健常な手術患者24症例を対象として術中PEEPの有無が手術終了時の無気肺形成に及ぼす影響を比較しています。介入群ではBMIに応じてPEEP 7cmH2Oまたは9cmH2O付加、対照群ではZEEPとし、recruitment maneuverは併用しないprotocolとなっています。結果としてCTで評価した無気肺の量、手術終了時のP/F比およびdynamic complianceに関してPEEP付加群で良好な結果が得られています。考察では明確なindicationがない場合はrecruitmentは不要であることが示されたと述べられています。

2018年7月20日 (金)

biomarkerを指標とした介入による拡大手術後の急性腎傷害予防

Gocze I, Jauch D, Gotz M, Kennedy P, Jung B, Zeman F, Gnewuch C, Graf BM, Gnann W, Banas B, Bein T, Schlitt HJ, Bergler T. Biomarker-guided Intervention to Prevent Acute Kidney Injury After Major Surgery: The Prospective Randomized BigpAK Study. Ann Surg 2018; 267: 1013-20.

ドイツの研究者が行ったRCTで、4時間以上の開腹手術を受けた患者でICU入室時に尿中のbiomarkerが上昇していた患者を対象として通常治療群と輸液負荷、腎臓専門医へのconsultationからなる介入群でAKIの発生頻度を比較した報告です。biomarkerとしてはIGFBP7とTIMP-2が用いられています。輸液負荷にはCVPをguideとしたprotocolが用いられています。121症例を対象として解析した結果、全体では有意差がありませんでしたが、biomarkerが中程度上昇していたsubgroupに関しては有意にAKI発生が減少することが示されています。このsubgroupでは術後Cr濃度上昇、入院期間も有意に減少しており、中程度の傷害群では介入が有用である可能性が示唆されています。

2018年7月19日 (木)

人工呼吸開始から48時間の鎮静度と180日死亡率の関連

Shehabi Y, Bellomo R, Kadiman S, Ti LK, Howe B, Reade MC, Khoo TM, Alias A, Wong YL, Mukhopadhyay A, McArthur C, Seppelt I, Webb SA, Green M, Bailey MJ. Sedation Intensity in the First 48 Hours of Mechanical Ventilation and 180-Day Mortality: A Multinational Prospective Longitudinal Cohort Study. Crit Care Med 2018; 46: 850-59.

2012年にAm J Respir Crit Care Medに掲載されたSPICE studyの2次解析で、人工呼吸開始から48時間以内の鎮静度と長期予後の関連を検討しています。鎮静度の評価にはRASSのマイナス側の数値の平均値であるsedation indexが用いられています。対象患者約660症例のうち、180日以内の死亡率は32.7%であり、年齢、腎代替療法施行、敗血症およびsedation index高値が独立したリスク因子であることが示されています。またsedation index高値は人工呼吸器装着期間延長の有意なリスク因子であることも示されています。

2018年7月17日 (火)

帝王切開時の低血圧に対する予防的norepinephrine投与の効果

Ngan Kee WD, Lee SWY, Ng FF, Khaw KS. Prophylactic Norepinephrine Infusion for Preventing Hypotension During Spinal Anesthesia for Cesarean Delivery. Anesth Analg 2018; 126: 1989-94.

Hong Kongの研究者が行ったRCTで、待機的帝王切開患者110症例を対象として脊髄くも膜下ブロックに伴う低血圧の治療としてnorepinephrineの持続投与(2.5µg/min前後)と単回投与(5µg)を比較した報告です。評価項目としては術中血圧のmedian performance errorが用いられています。結果として持続投与群ではMDPEが小さく、安定した血圧管理が可能であることが示されています。新生児の予後には差が認められず、manual controlによるnorepinephrine持続投与が有用であることが示唆されています。

2018年7月13日 (金)

腹部手術における制限的輸液戦略と非制限的輸液戦略の比較()

Myles PS, Bellomo R, Corcoran T, Forbes A, Peyton P, Story D, Christophi C, Leslie K, McGuinness S, Parke R, Serpell J, Chan MTV, Painter T, McCluskey S, Minto G, Wallace S. Restrictive versus Liberal Fluid Therapy for Major Abdominal Surgery. N Engl J Med 2018; 378: 2263-74.

オーストラリア、ニュージーランドの医師が中心となって行った多施設RCTで、約3000症例の腹部手術患者を対象として輸液戦略を比較しています。対象患者は70歳以上あるいは心血管系の合併症を有する症例に限定されています。制限的輸液戦略群、非制限的輸液戦略群での輸液量はそれぞれ6.5ml/kg/hr、10.9ml/kg/hrとされています。主要評価項目である1年後のdisability free survivalに関しては有意差がなく、AKIおよびSSIの発生頻度が制限的輸液戦略群で有意に増加していることが示されています。考察では非制限的輸液戦略群のprotocol をmoderately liberalを表現しており、過剰な輸液投与を推奨するわけではないと述べられています。

2018年7月12日 (木)

敗血症患者の臓器障害が長期予後に及ぼす影響

Schuler A, Wulf DA, Lu Y, Iwashyna TJ, Escobar GJ, Shah NH, Liu VX. The Impact of Acute Organ Dysfunction on Long-Term Survival in Sepsis. Crit Care Med 2018; 46: 843-49.

米国、California州のdatabaseを用いて行ったretrospective studyで、敗血症患者約3万症例を対象として敗血症治療後の長期予後に各臓器障害が及ぼす影響を検討しています。臓器障害の評価にはSOFA scoreを若干改定した指標が用いられています。対象患者の入院期間中の死亡率は9.4%ですが、1年、2年、3年死亡率はそれぞれ32%、41%および60%と報告されています。入院中の死亡と関連のある臓器は神経、呼吸および循環であることが示されています。一方、退院後の死亡に関しては神経、肝臓および凝固障害がリスク因子であることが示されています。結果として神経障害が短期および長期予後と関連が深いと結論されています。

2018年7月10日 (火)

声門上器具による気道確保失敗に関する因子

Vannucci A, Rossi IT, Prifti K, Kallogjeri D, Rangrass G, DeCresce D, Brenner D, Lakshman N, Helsten DL, Cavallone LF. Modifiable and Nonmodifiable Factors Associated With Perioperative Failure of Extraglottic Airway Devices. Anesth Analg 2018; 126: 1959-67.

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、声門上器具で麻酔管理を行った約2万症例を対象として挿入時、挿入後および術中にわけて声門上器具による気道確保に問題があり、何らかの処置を必要とした事象を解析しています。対象症例の1.9%で問題が生じており、その多くが挿入時に発生しています。挿入時のリスク因子としてはdesfluraneによる麻酔管理、サイズ過小、挿入後のリスク因子としてdesfluraneによる麻酔管理、複数回の挿入操作、麻酔中のリスク因子として複数回の挿入操作および麻酔時間延長が抽出されています。患者要因としては肥満、男性、非仰臥位での手術が挙げられています。

2018年7月 9日 (月)

非心臓手術後の急性冠症候群の疫学

Helwani MA, Amin A, Lavigne P, Rao S, Oesterreich S, Samaha E, Brown JC, Nagele P. Etiology of Acute Coronary Syndrome after Noncardiac Surgery. Anesthesiology 2018; 128: 1084-91.

米国の研究者がまとめたretrospective studyで、7年間に非心臓手術後に心筋虚血の診断として冠動脈造影を受けた患者146症例を対象として、冠動脈血栓の有無、心電図以上の有無、予後などを解析した報告です。急性冠症候群として冠動脈閉塞、酸素需給バランス破綻、冠動脈stent内血栓に分けて解析した結果、2/3以上が酸素需給バランス破綻によって発症したと判断されました。また10%がstress cardiomyopathyと診断されています。一方、心電図でのST上昇の有無と病態には有意な相関は認められませんでした。予後に関しては30日死亡率、1年死亡率が7%、14%と明らかに増加しています。

2018年7月 6日 (金)

挿管困難リスクを有する緊急患者に対する挿管時のbougieとstyletの比較(BEAM trial)

Driver BE, Prekker ME, Klein LR, Reardon RF, Miner JR, Fagerstrom ET, Cleghorn MR, McGill JW, Cole JB. Effect of Use of a Bougie vs Endotracheal Tube and Stylet on First-Attempt Intubation Success Among Patients With Difficult Airways Undergoing Emergency Intubation: A Randomized Clinical Trial. Jama 2018; 319: 2179-89.

米国のERで行われたRCTで、ERにおける気管挿管の際のbougieの有用性を検討しています。特徴は気管挿管困難のrisk因子の有無で別途解析されており、主要評価項目としては気管挿管困難のrisk因子を有する患者における初回挿管成功率が用いられています。対象患者の総数757症例、そのうち気管挿管困難のrisk因子を有する患者は380症例でした。初回挿管成功率は全体で98% vs. 87%、気管挿管困難のrisk因子を有する患者では96% vs. 82%、気管挿管困難のrisk因子を有さない症例では99% vs. 92%でいずれもbougie併用群で成功率が高いことが示されています。

2018年7月 5日 (木)

血管内eventはARDS発症のリスク因子である

Abdulnour RE, Gunderson T, Barkas I, Timmons JY, Barnig C, Gong M, Kor DJ, Gajic O, Talmor D, Carter RE, Levy BD. Early Intravascular Events Are Associated with Development of Acute Respiratory Distress Syndrome. A Substudy of the LIPS-A Clinical Trial. Am J Respir Crit Care Med 2018; 197: 1575-85.

2016年にJAMAに掲載されたLIPS-A trialの2次解析で、ARDS発症と好中球、単核球、血小板の相互作用、血小板から放出される脂質mediatorの関連を検討しています。LIPS-A trialではaspirinによる予防効果が検討されていたことから、本研究でも、動物実験でARDSに対して保護作用が示されているATL (asprin triggered lipoxin)の動態が注目されています。ARDSリスク患者約370症例のうち9%でARDSが発症し、発症リスクとしてbaselineのATL濃度上昇、血中総単核球数、血中中程度分化型単核球数および単核球-血小板凝集の程度がARDS発症と関連があることが示されています。結語では単核球がARDS発症メカニズムに関与していることが確認されたと述べられています。

2018年7月 3日 (火)

非心臓手術における心拍数および収縮期圧と術後心筋傷害の関係

Abbott TEF, Pearse RM, Archbold RA, Ahmad T, Niebrzegowska E, Wragg A, Rodseth RN, Devereaux PJ, Ackland GL. A Prospective International Multicentre Cohort Study of Intraoperative Heart Rate and Systolic Blood Pressure and Myocardial Injury After Noncardiac Surgery: Results of the VISION Study. Anesth Analg 2018; 126: 1936-45.

2012年にJAMAに掲載されたVISION studyの2次解析で、術後troponin Tの上昇で診断されるMINSと術中血圧、心拍数の関連を検討しています。45歳以上の約1万5千症例を対象として検討した結果、MINS、心筋梗塞および30日死亡率はそれぞれ7.9%、2.8%および2.0%でした。高血圧はMINSおよび心筋梗塞のリスク因子ですが、死亡リスクを有意に減少させることが示されています。HR<55はMINS, MI、死亡のリスクを有意に減少させ、低血圧と頻脈が併存した場合、MINSのリスクがさらに上昇することが示されています。結語ではMINS防止には血圧、心拍数管理の両方が重要であると述べられています。

«呼吸器合併症リスクの高い小児手術患者に対する導入法の比較

過去の記事

近況報告

  • 病院移転
    6/16に行われた管理人の施設の移転が地上波で放送されることになりました(7/27夜NHK)。
  • 病院移転
    管理人の勤務先の新病院への移転が6/16に行われ、無事終了いたしました。
  • 集中治療医学会@幕張
    2/22(木)の午後のCTG委員会企画のシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • Journal of intensive care
    今年もreviewer of the yearに選んでいただいたようです。
  • 2018年
    11年目になります。引き続きよろしくお願いいたします。
  • 日本麻酔科学会@神戸
    1日目の共催セミナーおよび2日目の輸液のシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
  • J Intensive Care
    本年もreviewer of the yearに選んでいただきました。
  • 2017年
    10年目になりました。引き続きよろしくお願いします。
  • 臨床麻酔学会@高知
    臨床麻酔学会でのシンポジウムおよび教育講演に多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 著書出版
    稲田英一先生監修の新麻酔科研修の素朴な疑問に答えます、という書籍が出版されました。管理人は輸液に関する項目を分担執筆しています。
  • 著書刊行
    稲田英一先生の監修による麻酔科クリニカルクエスチョン101という書籍が刊行されました(診断と治療社)。管理人は輸液の指標、尿量減少時の鑑別診断という項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会
    金曜日朝のリフレッシャーコースおよび土曜日のランチョンセミナーに多数ご参加いただきありがとうございます。
  • Journal of Intensive Care
    本年もJournal of intensive careのreviewer of the yearに選んで頂きました。
  • 第31回体液・代謝管理研究会
    体液・代謝管理研究会が無事終了いたしました。ご参加頂いた先生方、ありがとうございました。
  • 2016年
    9年目になりました。本年も宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会教育講演
    10/21(水)9:30amから第4会場での教育講演「侵襲と血液凝固反応」にご来場いただいた先生方、ありがとうございました。
  • 心臓血管麻酔学会ランチョンセミナー
    心臓血管麻酔学会最終日のランチョンセミナーに多数ご参加頂きありがとうございます。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから循環器急性期診療という書籍が刊行されます。管理人は心拍出量モニタの項を執筆しました。
  • 日本麻酔科学会共催セミナー
    日本麻酔科学会2日目の共催セミナー「人工呼吸中のグラフィックモニタと肺胞リクルートメント手技」に多数ご来場頂きありがとうございました。
  • 著書刊行
    中山書店から刊行された周術期の薬物使用法という書籍で乳酸リンゲル液とHES製剤の稿を分担執筆しました。
  • 著書出版
    管理人が体液・代謝管理の項目を執筆した麻酔科学文献レビュー2015-2016という書籍が学研メディカル秀潤社から発売になりました。
  • 集中治療専門医テキスト第2版
    上記がCD-ROMとして発売になりました。管理人は循環モニタリングの項を執筆しました。
  • reviewers of the year
    Journal of Intensive Careの2014年reviewer of the yearに入れていただきました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 29, issue 1に右室拡張末期容量と輸液反応性に関する共著論文が掲載されました。
  • 2015年
    8年目になりました。引き続き宜しくお願いいたします。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で11/2午前中の筋弛緩に関するシンポジウムと11/3午前中の循環管理に関するシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございました。
  • 論文掲載
    J Anesthのvolume 28, issue 3に非侵襲的hemoglobin測定装置に関する共著論文が掲載されました。
  • 著書刊行
    メディカルサイエンスインターナショナルから発行された症例で学ぶ周術期の輸液管理という書籍(松永明先生編集)で症例検討1: 結腸癌手術という章を執筆させて頂きました。
  • 日本麻酔科学会@横浜
    日本麻酔科学会学術集会でのリフレッシャーコース、ランチョンセミナーにご来場頂いた読者の皆様、ありがとうございます。
  • 著書刊行
    吸入麻酔薬の肝毒性と腎毒性に関する章を執筆した吸入麻酔(克誠堂出版、山陰先生、平田先生編)という書籍が5月に刊行されました。
  • 論文掲載
    Journal of Anesthesiaのvolume 2にgoal-directed fluid managementに関するobservational studyの結果が掲載されました。
  • 集中治療医学会共催セミナー
    2/28(金)の非観血的血圧測定に関するランチョンセミナーに多数ご参加いただき、ありがとうございました。
  • 論文掲載
    麻酔の2014年2月号にHES 130/0.4(ボルベン)の総説が掲載されました。
  • 体液代謝管理研究会@名古屋
    1/25開催の体液代謝管理研究会に多数のご参加を頂きました。ありがとうございます。 2016年の体液代謝管理研究会の開催を仰せつかりました。宜しくお願いいたします。
  • 2014年
    7年目になりました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 臨床麻酔学会
    臨床麻酔学会で、大量出血時の膠質液の適正使用と高リスク患者の輸液管理について発表させていただきました。ご来場頂いた先生方ありがとうございます。
  • 論文掲載
    Anesthesia and Analgesiaの8月号に東邦大学大森病院、日本大学、東京女子医大、慶應大学の先生方と協同で行ったsugammadexの論文が掲載されました。
  • 日本麻酔科学会会長企画
    5/25(土)の11:00amから行われるInternational sessionでCurrent condition of neuromuscular block management in Japan.というtitleで発表させて頂きました。多数のご来場ありがとうございました。
  • 体液代謝管理研究会symposium
    1/26に上記研究会シンポジウムで「動的指標に基づいた輸液管理」に関して発表させて頂きました。ご参加頂いた先生方ありがとうございます。
  • 6年目になりました
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