Prospective study

2019年11月15日 (金)

抜管不成功リスクの高い症例における高流量経鼻酸素投与とNPPVの併用の効果

Thille AW, Muller G, Gacouin A, et al. Effect of Postextubation High-Flow Nasal Oxygen With Noninvasive Ventilation vs High-Flow Nasal Oxygen Alone on Reintubation Among Patients at High Risk of Extubation Failure: A Randomized Clinical Trial. Jama 2019.

フランスの20施設で行われた多施設RCTで、呼吸不全患者の抜管後再挿管を回避する手段として非侵襲的人工呼吸と高流量経鼻酸素投与を比較した報告です。本研究の特徴は非侵襲的人工呼吸群で何らかの理由でmask装着が出来ない場合に高流量経鼻酸素投与を行っている点です。65歳以上あるいは何らかの臓器障害を有し、抜管後再挿管リスクが高いと見なされた患者約630症例を対象として、抜管後7日までの再挿管率は非侵襲的人工呼吸で12%、高流量経鼻酸素投与群で18%で、統計学的有意差をもって非侵襲的人工呼吸が再挿管を回避する上で有用であることが示されています。













 

2019年11月14日 (木)

意識障害患者におけるNIRSを用いた脳血流自動調節能評価に基づいた血圧管理

Rivera-Lara L, Geocadin R, Zorrilla-Vaca A, et al. Optimizing Mean Arterial Pressure in Acutely Comatose Patients Using Cerebral Autoregulation Multimodal Monitoring With Near-Infrared Spectroscopy. Critical care medicine 2019;47:1409-15.

米国の研究者がまとめたprospective, observational studyで、くも膜下出血、頭蓋内血腫、脳梗塞などで集中治療を必要とする患者約100症例を対象として入室後12から48時間までの平均血圧と予後の関係を解析した報告で、特にNIRSで評価した脳血流の自動調節能からみた最適平均血圧(MAPopt)からの逸脱に注目して解析が行われています。MAPoptはくも膜下出血、頭蓋内血腫では90mmHg、脳梗塞では103mmHgとされています。対象患者の3ヶ月死亡率は51%で、実際のMAP平均値とMAPoptの相違>10mmHgおよびモニタリング期間中のMAPoptからの逸脱時間80%以上が予後不良の独立したリスク因子であることが示されています。NIRSによる脳血流自動調節能の評価は臨床的に有用であると結論されています。



 

2019年11月11日 (月)

抜管直前のPEEP付加と術後無気肺の関連

Ostberg E, Thorisson A, Enlund M, Zetterstrom H, Hedenstierna G, Edmark L. Positive End-expiratory Pressure and Postoperative Atelectasis: A Randomized Controlled Trial. Anesthesiology 2019;131:809-17.

スウェーデンの研究者が行ったRCTで、全身麻酔終了後抜管時のPEEPが抜管後の無気肺に及ぼす影響を検討しています。ヘルニア手術を主体とする日帰り手術症例30症例を抜管時PEEPの有無で2群に分け、無気肺の程度を抜管前、抜管直後の胸部CTを用いて比較しています。両群とも術中はFiO2 0.35、PEEP 7~9cmH2Oで管理し、抜管時にはFiO2 1.0、上半身挙上としています。結果として両群で抜管後の無気肺の程度に差が認められませんでした。結語ではFiO2 1.0, PEEPを維持したまま抜管することを推奨すると述べています。

 

2019年11月 7日 (木)

新規のNETs定量は重症患者におけるDIC発症を予測しうる

Abrams ST, Morton B, Alhamdi Y, et al. A Novel Assay for Neutrophil Extracellular Trap Formation Independently Predicts Disseminated Intravascular Coagulation and Mortality in Critically Ill Patients. American journal of respiratory and critical care medicine 2019;200:869-80.

英国の研究者がまとめたstudyで、白血球から放出されるNETsの新しい定量方法を考案し、重症患者で実際に測定した上で、臨床経過、特にDICとの関連を検討しています。測定方法は患者血漿を白血球に暴露してNETsの放出を半定量的に評価しています。臨床研究としては重症患者341症例で解析した結果、78%の症例で患者血清のNETs放出能が認められています。NETs放出は敗血症の診断、血小板減少、DICの診断、臓器障害、死亡と有意に関連していることが示されています。またIL-8と患者血清のNETs放出能と相関し、抗IL-8抗体投与でNETs放出能が抑制されることから、NETs放出にIL-8が関与していることも示されています。



 

2019年11月 5日 (火)

小児非心臓手術患者におけるリスク評価指標の検証

Valencia E, Staffa SJ, Faraoni D, DiNardo JA, Nasr VG. Prospective External Validation of the Pediatric Risk Assessment Score in Predicting Perioperative Mortality in Children Undergoing Noncardiac Surgery. Anesthesia and analgesia 2019;129:1014-20.

米国の研究者が行ったretrospective studyで、著者らが作成した小児患者の30日死亡率を予測するpediatric risk assessment (PRAm)の精度を検証しています。PRAmはurgent procedure、合併症の有無、集中治療の必要性、月齢12ヶ月未満、悪性腫瘍の有無の5項目からなる比較的簡単なscoring systemです。心臓手術、心カテを除く約1万3千症例を対象として検証しており、30日死亡率は0.21%でした。PRAmによる30日死亡率の予測はAUROCが0.96であり、高い精度で予測しうることが確認されました。PRAm>6で死亡リスクが8倍となることが示されています。一方、PRAm<4では死亡例が無いことが示されています。

 

2019年11月 1日 (金)

敗血症性ARDS患者におけるvitamin C投与が臓器障害と炎症反応に及ぼす影響

Fowler AA, 3rd, Truwit JD, Hite RD, et al. Effect of Vitamin C Infusion on Organ Failure and Biomarkers of Inflammation and Vascular Injury in Patients With Sepsis and Severe Acute Respiratory Failure: The CITRIS-ALI Randomized Clinical Trial. Jama 2019;322:1261-70.

米国で行われた多施設RCTで、敗血症からARDSに進行した重症患者におけるvitamin Cの効果を検証しています。約160症例をrandomizeし、介入群ではvitamin Cを4日間投与しています。主要評価項目は4日目のmodified SOFA score、CRP濃度、トロンボモジュリン濃度が用いられています。結果として主要評価項目には差がありませんでしたが、2次評価項目の28日死亡率、28日VFD、60日hospital free daysはvitamine C投与群で良好な結果となっています。

 

2019年10月25日 (金)

高齢心臓手術患者における体外循環中の血圧維持が術後せん妄の及ぼす影響

Brown CHt, Neufeld KJ, Tian J, et al. Effect of Targeting Mean Arterial Pressure During Cardiopulmonary Bypass by Monitoring Cerebral Autoregulation on Postsurgical Delirium Among Older Patients: A Nested Randomized Clinical Trial. JAMA surgery 2019.

米国の研究者が行ったRCTで、55歳以上のCABG患者を対象として、体外循環中の血圧が術後のせん妄に及ぼす影響を比較しています。対照群では体外循環中の平均血圧を60mmHg以上、介入群では体外循環前に規定した脳血流の自動調節能下限以上を維持することを目標としています。脳血流の自動調節能下限は経頭蓋Dopplerと血圧の相関係数から算出しており、その平均値は67mmHgであったと記載されています。約200症例をランダム化して比較した結果、対照群、介入群でのせん妄発生率はそれぞれ53%、38%であり、脳血流の自動調節能下限を維持することで有意にせん妄発生リスクを減少させることが示された結果となっています。



 

2019年10月10日 (木)

ARDS患者におけるAKIが治療および予後に及ぼす影響

McNicholas BA, Rezoagli E, Pham T, et al. Impact of Early Acute Kidney Injury on Management and Outcome in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome: A Secondary Analysis of a Multicenter Observational Study. Critical care medicine 2019;47:1216-25.

2016年にJAMAに掲載されたLUNG-SAFE studyの2次解析で、ARDS患者でAKIの有無によって人工呼吸期間、入院期間および死亡率に差があるかどうかを検討しています。AKIに関してはmild~moderate AKIとsevere AKIに分けて解析しています。約2000症例を対象として解析した結果、mild~moderate AKIが24%、severe AKIが15%で発生しています。mild~moderate AKI、severe AKIいずれも人工呼吸期間延長、入院期間延長、死亡率増加の独立したリスク因子であることが示されています。血清Cr濃度で5段階に分けて解析した結果、sCr>110µmol/l以上で90日死亡リスクが有意に上昇していることが示されています。







 

2019年10月 4日 (金)

非心臓手術における非顕性脳梗塞

Perioperative covert stroke in patients undergoing non-cardiac surgery (NeuroVISION): a prospective cohort study. Lancet (London, England) 2019;394:1022-9.

北米、欧州など12施設で行われたprospective, observational studyで、術後の非顕性脳梗塞の頻度、1年後の認知機能低下との関連を検討しています。対象は65歳以上の非心臓手術患者約1100症例で非顕性脳梗塞の診断は術後にMRIを行うことによって行っています。本研究の結果、対象患者の7%で非顕性脳梗塞が発生していることが明らかになりました。非顕性脳梗塞を生じなかった患者の29%で1年後に認知機能低下が認められたのに対して、非顕性脳梗塞患者では42%で1年後の認知機能が低下していることが示されています。また非顕性脳梗塞患者では術後のせん妄の発生率が高いことも示されています。

 

2019年9月30日 (月)

せん妄発生リスクの高い重症患者に対する予防的ハロペリドール投与の効果

Rood PJT, Zegers M, Slooter AJC, et al. Prophylactic Haloperidol Effects on Long-term Quality of Life in Critically Ill Patients at High Risk for Delirium: Results of the REDUCE Study. Anesthesiology 2019;131:328-35.

2018年にJAMAに掲載されたREDECE trialの2次解析で、せん妄リスクの高いICU患者に対するhaloperidol予防投与の効果を検証したdataをもちいて1ヶ月後、6ヶ月後のmentalおよびphysical statusを検討しています。haloperidol群181症例、placebo群127症例で検討した結果、経時的変化には有意差が認められましたが、群間すなわちhaloperidolの有無に関する有意差は認められず、haloperidol予防投与は長期の予後を改善しない登結論されています。長期予後を増悪させる因子として、高齢、内科的疾患によるICU入室、ICU入室期間中の深鎮静が挙げられています。

 

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近況報告

  • 臨床麻酔学会シンポジウム
    11/8(金)午後に筋弛緩に関するシンポジウムが予定されています。多数のご参加をお待ちしております。
  • 第66回日本麻酔科学会
    初日の午後のシンポジウムおよび最終日のリフレッシャーコースで発表させていただきます。2日目の学術委員会企画でも座長を仰せつかっております。多数のご参加をお待ちしております。
  • 集中治療医学会@京都
    第20会場でのICUモニタリングup-to-dateというシンポジウムに多数ご参加いただきありがとうございました。
  • J Intensive Care
    本年もreviewer of the yearに選んでいただきました。
  • 麻酔科研修ノート第3版
    稲田先生、上村先生、土田先生、村川先生編集による第3版が刊行されました。管理人も3項目執筆いたしました。
  • 2019年
    12年目になりました。ひきつづきよろしくお願いいたします。
  • Web seminar
    9/25夕方、大塚製薬工場さん主催のweb seminarで「生理学でひもとく最近の周術期循環管理」という内容で発表させていただきました。再放送も予定されているとのことですので、ご興味のある方は大塚製薬工場の担当者にご相談ください。
  • 病院移転
    6/16に行われた管理人の施設の移転が地上波で放送されることになりました(7/27夜NHK)。
  • 病院移転
    管理人の勤務先の新病院への移転が6/16に行われ、無事終了いたしました。
  • 集中治療医学会@幕張
    2/22(木)の午後のCTG委員会企画のシンポジウムに多数ご参加頂きありがとうございます。
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